村仏国文学資料の所在に関する調査ー国際協力による在外国文学文献の総合的研究ー

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 03041088
• 研究機関: 国文学研究資料館
• 研究代表者: 松野 陽一 国文学研究資料館, 文献資料部, 教授 (50005823)
• 研究分担者: 佐藤 悟 実践女子大学, 文学部, 助教授 (50178729) ; 宮 次男 実践女子大学, 文学部, 教授 (10000449) ; 竹下 義人 国文学研究資料館, 文献資料部, 教授 (90197286) ; 樹下 文隆 国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (70195337) ; 深澤 真二 国文学研究資料館, 文献資料部, 助手 (80218875) ; 山崎 誠 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (70094696) ; 小峯 和明 国文学研究資料館, 文献資料部, 助教授 (70127827)
• キーワード: パリ国立図書館 / ギメ美術館 / パリ東洋言語文化研究所 / リヨン印刷銀行博物館 / チェスタ-ビ-ティ図書館 / 奈良絵本 / 近世版本

研究概要

昨年9月と3月の予備調査をもとに、今年度は9月から10月にフランスのパリ、リヨン、アイルランドのダブリンに赴いた。
パリの国立図書館は、当初の計画では最も中心になるべき対象であったが、図書館側の対応が十分でなく、残念ながら前年と同様、予備的な調査しかできなかった。ついでギメ美術館も、今年度にオ-プンした日本美術館に赴き、予備的な調査の折衝を試みたが、十分な成果が得られなかった。以前から知られている絵巻や奈良絵本以外の資料に関しては明らかでない。また、東洋言語文化研究所では、付属の図書館が研究所とは異なる遠隔地にあることも関係し、専門の人員も少なく、ほとんど未整理の状態であり、公開に至っていないため、実質的な調査に携わることができなかったが、近世の版本を中心にかなりの資料が所蔵されていることが判明した。さらに研究所の日本学スタッフとの意見交換の場を持つことができ、日本学の研究状況やリ-ル市立図書館の所蔵資料をはじめ、貴重な情報を得ることができた。リヨンでは、印刷銀行博物館、リヨン美術館、市立図書館等々に赴いたが、とくに印刷博物館では、嵯峨本の伊勢物語や近世の版本のいくつかが所蔵されていることが分かった専門の研究員がいないため、それ以上の詳細は不詳。リヨンとリ-ルは調査の進展を期したい地域であり、当館客員のオリガス教授を通じて折衝を進めている段階である。
ダブリンのチェスタ-ビ-ティ図書館では、潮田淑子氏の協力のもとに本格的な調査と写真撮影による資料収集を行った。限られた日程ではあったが、半数を越える百点以上の貴重な資料の調査と収集ができた。国内の資料との関連調査も進めつつあり、来年度に残りの資料を調査収集し、詳細な解題目録を刊行する予定である。