アメリカ大陸を中心としたがん研究先進グループとの研究交流

1993 年度 研究成果報告書概要

• 研究課題/領域番号: 03042013
• 研究種目: 国際学術研究
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: がん調査
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 山口 宣生 東京大学, 医科学研究所, 教授 (90012723)
• 研究分担者: 濱田 洋文 財団法人癌研究会, 癌化学療法センター, 部長 (00189614) ; 河野 公俊 大分医科大学, 助教授 (00153479) ; 津熊 秀明 大阪府立成人病センター, 主幹 ; 高橋 隆 愛知県がんセンター, 研究所, 室長 (50231395) ; 谷口 直之 大阪大学, 医学部, 教授 (90002188) ; 吉木 敬 北海道大学, 医学部, 教授 (60220612) ; 池内 達郎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (90041839) ; 吉田 光昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80012607) ; 石橋 正英 愛知県がんセンター研究所, 部長 (70029776) ; 渋谷 正史 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10107427) ; 片岡 徹 神戸大学, 医学部, 教授 (40144472) ; 千田 和広 東京大学, 医科学研究所, 助手 (00192188) ; 野田 哲生 財団法人癌研究会, 癌研究所, 部長 (10183550) ; 藤澤 順一 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40181341) ; 中別府 雄作 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30180350) ; 高橋 玲 京都大学, 医学部, 助教授 (60144565) ; 佐々木 卓也 神戸大学, 医学部, 助手 (40241278)
• 研究期間 (年度): 1991 – 1993
• キーワード: 研究情報交換 / がん遺伝子 / ウイルス発がん / 発がんプロモーター / がん抑制遺伝子 / がん細胞 / 増殖制御 / 転写調節

研究概要

本研究は、世界的に激しい研究競争を繰り広げているがん研究において、地理的に隔離されている我が国の研究者を、米国大陸に派遣し、先進研究グループとの直接の討論、情報交換、資料交換および共同研究の打ち合せなどを行うことにある。
研究領域として、
1.がん遺伝子およびがん抑制遺伝子に関する研究
2.ウイルスによるヒトがんの研究
3.発がんの促進と抑制に関する研究
4.新しい診断技術及び治療法の開発
に大別し、毎年各領域から2〜5人を派遣した。
本年度は、19名ががん遺伝子研究集会、がん細胞研究集会、細胞DNA複製研究集会、パピローマウイルスワークショップ、エイズおよびヒトT細胞白血病ウイルス研究集会、ゼネラルモーターズがん研究基金国際シンポジウム、DNA型腫瘍ウイルス会議、キ-ストンシンポジウム、アメリカ癌学会特別コンファレンス、国際肺がん学会ワークショップ、アメリカ生化学・分子生物学・免疫学会合同学会に出席するとともに大学・研究所を訪問した。
研究成果は多岐にわたるが、がん遺伝子およびがん抑制遺伝子に関する研究においては、米国フレデリックで開かれるがん遺伝子の年会議が世界のがん遺伝子研究のその年までの集大成の発表・討議の場であり、この補助金により3名が出席・講演・討議を行い、派遣研究者の各専門領域における情報交換を行った。その他、多くの研究集会において、がん遺伝子およびがん抑制遺伝子に関する情報交換を活発に行った。ウイルスによるヒトがんの研究領域においては、ヒト白血病ウイルス、ポリオーマウイルス、ヒトパピローマウイルスなどの領域において情報交換を行った。発がんの促進及び抑制に関する領域においては、発がんプロモーター、がん抑制遺伝子、細胞増殖因子、発がん物質、遺伝子ターゲッテングの研究の領域の情報交換を行った。診断法及び治療法の領域においては、抗がん剤耐性因子、放射線治療、遺伝子治療疫学などの領域で情報交換を行った。
地理的に情報が遅れる我が国において、先進研究を行っている研究者ほど強く情報の遅れを感じる。また外国と共同研究を行っている、あるいは共同研究を開始しようとしているグループは、細やかな討論と研究打ち合せが必要である。研究資料の交換も、直接現場で受け取らないとスムーズにいかないことが少なくない。これらの意味でこの研究費は分担研究者及びその周囲の研究者の発展に大きく寄与したことが代表者への研究報告の中に明らかにされている。また一方的に情報を受け取るだけでなく、明らかに、こちらから外国側への情報を与えることも多く、世界的な研究の発展への寄与も少なくない。
個々の研究成果については、各分担研究者、それぞれが、成果を学会誌等に発表している他、一部はがん・バイオサイエンスニュースにトピックとして情報を公開した。

研究成果

• [文献書誌] Yamamoto,K.(Shibuya,M.): "Characterization of the promoter region of the human c-kit proto-oncogene" Jpn.J.Cancer Res.84. 1136-1144 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Gotoh,N.(Sibuya,M.): "Epidermal growth factor receptor-mutant lacking the autophosphorylation sites induces phosphorylation of Shc and association of Shc with Grb2/Ash,and retains mitogenic activity." Proc.Natl.Acad.,Sci.USA. 91. 167-171 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Ookawa,K.(Takahashi,R.): "Reconstitution of the RB gene suppresses the growth of small-cell lung carcinoma cells carrying multiple genetic alterations." Oncogene. 8. 2175-2181 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Habuchi,T.(Takahashi,R.): "Metachronous multifocal development of urothelial cancers by intraluminal seeding." The Lancet. 1993. 1087-1088 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Habuchi,T.(Takahashi,R.): "Accumulated allelic losses in the development of invasive urothelial cancer." Int.J.Cancer. 53. 579-584 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Takaishi,K.(Sasaki,T.): "Involvement of Rho p21 small GTP-binding protein and its regulator in the HGF-induced cell motility." Oncogene. 9. 273-279 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Suzuki,T.(Fujisawa,J.): "A trans-activator tax of human T-cell leukemia virus type 1 binds to NF-κB p50 and serum response factor(SRF)and associates with enhancer DNAs of the NF-κB site and CArG box." Oncogene. 8. 2391-2397 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Tanimura,A.(Fujisawa,J.): "A new regulatory element that augments for the tax-dependent enhancer of human T-cell leukemia virus type 1 and cloning of cDNAs encoding its binding proteins." J.Virol.67. 5375-5382 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(和文)」より
• [文献書誌] Yamamoto, K. (Shibuya, M.): "Characterization of the promoter region of the human c-kit proto-oncogene." Jpn. J. Cancer Res.84. 1136-1144 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Gotoh, N. (Sibuya, M.): "Epidermal growth factor receptor-mutant lacking the autophosphorylation sites induces phosphorylation of Shc and association of Shc with Grb2/Ash, and retains mitogenic activity." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 91. 167-171 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Ookawa, K. (Takahashi, R.): "Reconstitution of the RB gene suppresses the growth of small-cell lung carcinoma cells carrying multiple genetic alterations." Oncogene. 8. 2175-2181 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Habuchi, T. (Takahashi, R.): "Metachronous multifocal development of urothelial cancers by intraluminal seeding." The Lancet. 1993. 1087-1088 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Habuchi, T. (Takahashi, R.): "Accumulated allelic losses in the development of invasive urothelial cancer." Int. J. Cancer. 53. 579-584 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Takaishi, K. (Sasaki, T.): "Involvement of Rho p21 small GTP-binding protein and its regulator in the HGF-induced cell motility." Oncogene. 9. 273-279 (1994)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Suzuki, T. (Fujisawa, J.): "A transactivator tax of human T-cell leukemia virus type 1 binds to NF-kappaB p50 and serum response factor (SRF) and associates with enhancer DNAs of the NF-kappaB site and CArG box." Oncogene. 8. 2391-2397 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より
• [文献書誌] Tanimura, A. (Fujisawa, J.): "A new regulatory element that augments for the tax-dependent enhancer of human T-cell leukemia virus type 1 and cloning of cDNAs encoding its binding proteins." J.Virol.67. 5375-5382 (1993)
  • 説明: 「研究成果報告書概要(欧文)」より