研究課題/領域番号 |
03042014
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
小林 健一 金沢大学, 医学部, 教授 (70019933)
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研究分担者 |
PURCELL Robe 国立衛生研究所(米国), 部長
金子 周一 金沢大学, 医学部, 助手 (60185923)
鵜浦 雅志 金沢大学, 医学部, 講師 (10175226)
村上 清史 金沢大学, がん研究所, 助教授 (90019878)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 肝細胞韓 / 遺伝子 / 慢性肝炎 / 肝硬変 |
研究概要 |
わが国においては、C型肝炎ウイルス(HCV)が多くの肝細胞癌症例と密接に関連していることが明らかとなった。米国における肝細胞癌死亡は少なく、日米における差異が問題となっている。本研究では日米におけるHCVと肝細胞癌の差異を明らかにし、その原因について検討した。 わが国において肝細胞癌を併発した5例によりHCVの構造領域をクロ-ニングし、塩基配列を決定した。5'non coding領域で〈4.9%、ウイルスのcore領域ので〈6.5%、envelope領域で〈11.1%の相違が示された。米国例との比較では、5'non coding領域が良く保たれているものの、envelope領域に大きな違いがみいだされた。また1例より、全塩基配列を決定し、米国の2例、および日本の3例のHCV株と比較した。その解析から日本型を2種に、米国型を1種の3種に分類することが可能であった。 5例のHCVに保存されている領域をプライマ-とした検出系を用いてC型肝炎症例を検討したところ、このプライマ-で検出されるC型肝炎は重篤な病態を有しており、さらにインタ-フェロン療法にも反応性が不良であったことから、さらにHCV遺伝子の違いによって引き起こす病態がことなることが示唆された。 米国より、インタ-フェロン療法を行った33例の血清を得た。5'non coding領域を用いたプライマ-の検討では、これらの肝炎がHCVによって引き起こされていることを確認し、さらに日本型プライマ-を用いて検討を行っている。また測定上の差異を除外するため、日米における血清を用いて米国において両国の血清測定を開始した。 本年度は塩基配列解析を中心に検討したが、得られた血清の交換・測定が開始している。
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