超高エネルギ-ハドロンコライダ-実験(SDC)のための液体カロリメ-タ-の共同実験

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 03044018
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 湯田 春雄 東北大学, 理学部, 教授 (90108457)
• 研究分担者: 増田 公明 埼玉県立衛生短期大学, 理, 講師 (40173744) ; 星 善元 東北学院大学, 物工, 助教授 (80146117) ; 菊地 柳三郎 京都大学, 理学部, 助手 (10025356) ; 長谷川 勝夫 東北大学, 理学部, 助教授 (70004463) ; 阿部 浩也 東北大学, 理学部, 助教授 (60004412) ; 谷森 達 東京工業大学, 理学部, 助教授 (10179856) ; 渡辺 靖志 東京工業大学, 理学部, 教授 (40126199) ; 岩崎 博行 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助手 (40151724) ; 小川 和男 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助教授 (10113416) ; 海野 義信 高エネルギー物理学研究所, 物理, 助手 (40151956) ; 近藤 敬比古 高エネルギー物理学研究所, 物理, 教授 (30150006)
• キーワード: ハドロンコライダ- / SSC / 粒子検出器 / カロリメ-タ- / 液体アルゴンカロリメ-タ- / 室温液体カロリメ-タ- / 素粒子実験

研究概要

超高エネルギ-ハドロンコライダ-SSCは衝突エネルギ-40兆電子ボルト(40TeV)で陽子・陽子衝突現象を研究するために、現在建設中である。SSCの実験の一つであるソレノイダル検出器には国内から約90名が参加する大型国際共同実験であり、その検出器の規模の大きさのために、数研究機関が共同して検出器各部の開発研究を推進している。
本研究はSSC実験のための検出器の国際共同開発研究として、米国の関係研究機関と共同して、検出器の1つの部分であるカロリメ-タ-について、アルゴン液体と室温液体を用いて(1)ビ-ムテスト用モデュ-ルを製作し、(2)ビ-ムテストを遂行し(3)性能検査試験を行い、液体カロリメ-タ-について(1)エネルギ-分解能・線形性、(2)e/h=1、(3)耐放射性、(4)信号の早い読み出し、(5)安全性について検討・評価を得る事を目的とする。
今年度はアルゴン液体カロリメ-タ-についてはブルックヘブン研究所におけるAGSを用いてのビ-ムテストが実施され、又、常温液体カロリメ-タ-については、フェルミ-研究所で平成4年1月迄ビ-ムテスト実験が実施された。このため、ブルックヘブン研究所へは、2名、フェルミ-研究所へは8名、デ-タ解析のため、スタンフォ-ド研究所へ2名、合計12名が派遣され、それぞれ初期の目的が達成された。又、室温液体カロリメ-タ-ビ-ムテスト実験における初期デ-タの解析結果は一部論文として投稿中である。
平成4年度以降は室温液体カロリメ-タ-の耐放射線テストと、それぞれの実験で収集されたデ-タの解析を行い、カロリメ-タ-の評価をする予定である。

研究成果

• [文献書誌] B.Aubert et al: "Compensation Studies of a Leed/TMP Calorimeter" Nucl.Instr.& Methods. (1992)
• [文献書誌] H.Yuta et al: "Signal Observation from a pulsed Ionization chamber filled with Tetramethyl Germanium" Japanese Jounal of Applied Physics. 30. LS25-LS27 (1991)
• [文献書誌] K.Masuda et al: "Measurement of a liquid Xe scintillation from heavy ions using a silicon photodiode" Nucl.Instr.and Meth.A309. 489-496 (1991)
• [文献書誌] T.Doke et al: "Sampling Calorimeter for High Energy Heavy particles filled with Allen-doped liquid Aragon" Nucl.Instr.and Meth.A302. 290-300 (1991)