研究課題/領域番号 |
03044019
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
江刺 正喜 東北大学, 工学部, 教授 (20108468)
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研究分担者 |
SCHMIDT M.A. マサチューセッツ工科大学(米国), 助教授
SENTURIA S.D マサチューセッツ工科大学(米国), 教授
DE Rooij N.F ヌーシャテル大学, 微細加工学研究所(スイス), 教授
南 和幸 東北大学, 工学部, 助手 (00229759)
庄子 習一 東北大学, 工学部, 助手 (00171017)
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キーワード | 集積化システム / マイクロマシニング / マイクロアクチュエ-タ / 化学分析 / 医用化学分析 / 微量流体制御 / マイクロバルブ / マイクロポンプ |
研究概要 |
当該年度は、集積化化学分析システムの構成要素となる流体制御素子の開発を主に研究を行った。 1.無効体積の少ないマイクロバルブの開発 従来報告されているマイクロバルブは、シリコンとガラスを複数重ねた構造を持ち、液の流路も複雑で滞留の起き易い構造を持っていた。また、その製作には、陽極接合や直接接合など高温プロセスが必要で、デリケ-トな化学センサを集積化することが難かった。そこで、新しいマイクロバルブを開発した。これは、バルブの駆動部分と流路部分を分離して、それぞれ別のシリコン上に作ったもので、使用時は2つを機械的に固定する。流路はシリコン基板上のポリマ-膜中に作り、駆動部によりこの流路を開閉する単純な構造とした。これにより、前述の問題を解決した上、流路部分を取り替えるのみで何度も使えるなど、医用システムに適した構造とすることができた。常時開と常時閉の2方弁、3方弁の3種類のマイクロバルブを製作した。これらのバルブの無効体積は、16nl〜32nlと従来のものに比べ極端に少ない。 2.高吐出圧力マイクロポンプの研究 実際、化学分析システムを集積化する場合、バルブや反応室、カラムなどの小形化による流路抵抗の増加にともない高吐出圧力のマイクロポンプが要求される。そこで、ダイアフラム形マイクロポンプの動作について系統的に研究し、高吐出圧力を得るのに必要な要素を検討した。その結果、アクチュエ-タとしては積層ピエゾ形が十分な圧力を持っていること、高圧力下で十分な流量を得るには一方向弁の逆止特性を改善する必要があることがわかった。このため、マイクロモ-ルディング技術を使い新しい逆止弁を試作した。この弁を用いることにより、latm以上の吐出圧力が実現できる見通しを得た。
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