研究概要 |
本年度はラトガ-ス大学のハリングトン教授を中心とするグル-プとの討論,情報交換,国際会議開催などを通し,中空導波路の低損失化,内装導波路の実装技術,サファイア中空導波路の評価と応用などの研究を行なった。得られた。研究成果ならびに今後の課題は以下の通りある。 1.誘電体内装導波路の低損失化 内装誘電体として,ゲルマニウム以外の材料について検討を行なった。その結果,円形断面を有する導波路製作では,セレン化亜鉛内装銀中空導波路で低損失化を達成した。しかし,この導波路は毒性,耐環境性で幾つかの問題がある為,硫化亜鉛を誘電直として取り上げ検討を行ない,きわめて持性の良い導波路が得られる可能性を示した。 2.誘電体内装導波路の実装技術の研究 内装導波路でKWオ-ダの炭酸ガスレ-ザ光を可能にする為の水冷,空冷法,ならびに接続法についても検討した。その結果2m長で,3KW入力に対応できる導波路を実現した。 3.サファイア中空導波路の研究 炭酸ガスレ-ザの波長で異常分散を示すサファイアパイプを結晶成長技術で作製し、特性を評価した。細いファイバの場合には充分な可撓性を有し,しかも損失は比較的小さいことが分かった。この導波路を赤外の放射温度計測に応用し,比較禎低温の温度を精度よく計測できることが明らかになった。 4.赤外ファイバ及び中空導波路に関する国際会議の開催 1991年9月5ー6日の両日,SPIEの援助のもとに国際会議を開催し,多くの情報を交換した。次回開催を1993年とした。
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