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1991 年度 実績報告書

地殻応力の三次元計測評価における圧力デ-タの物理的背景に関する破壊力学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03044023
研究機関東北大学

研究代表者

林 一夫  東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30111256)

研究分担者 ZHAO Z.  ウィスコンシン大学, 工学部, 研究員
LEE M.Y.  ウィスコンシン大学, 工学部, 研究員
伊藤 高敏  東北大学, 流体科学研究所, 助手 (00184664)
HAIMSON B.C.  ウィスコンシン大学, 工学部, 教授
キーワード地殻応力 / 水圧破砕 / 岩盤応力 / 現位置計測 / 破断水圧 / き裂開口圧 / き裂閉口圧 / シャットイン曲線
研究概要

水圧破砕地殻応力計測において用いられる圧力デ-タの内、破断水圧及びき裂閉口圧の物理的背景を解明すると共に、確定的決定法を検討した。破断水圧については、水圧破砕時の坑井壁からのき裂初生に関する局所応力破壊基準なる新しい基準を導入することで、破断水圧の加圧速度依存性及び坑井半径依存性を明解に説明することに成功した。さらに、室内模擬実験による検証を行った。従来、破断水圧は上述の2つの依存性の物理的背景が未解明であったため、デ-タとしては重要視されていなかったが、本研究により、き裂面垂直方向の応力のみでなくこれと直交する2方向の応力の情報も含んだ極めて重要なデ-タとして使用できることが明らかになった。き裂開口圧については、まず、破壊力学に基づく数値シミュレ-ションを実施して、水圧破砕により作成されたき裂の、シャットイン後の閉口挙動を明らかにした。その結果、岩体内への水の透水によるき裂内水圧の減少により引き起こされるシャットイン後のき裂閉口過程は、次の3つの段階に分けることが出来ることがわかった。すなわち、き裂全体が開口している状態から開口変位が漸減しき裂先端が閉じ始めるまでの第1段階、き裂開口部が坑井表面に向かって広がりき裂全体が閉じるまでの第2段階、これ以後の第3段階である。しかも、最小地殻圧縮応力は第1段階の終端部の水圧に極めて近いことがわかった。さらに、各段階において、水圧減少速度の逆数と水圧との間に線形関係が成立することを示し、このことを利用して、き裂閉口圧を確定的かつ客観的に決定する方法を開発した。次に、日米両者で実施した、室内並びにフィ-ルド実験で得られた、シャットイン曲線を、水圧減少速度の逆数と水圧との関係で整理し、上述の知見、すなわち、3直線近似が成立することを実証すると共に、高圧側からみて第1、2直線の交点から最小地殻圧縮応力を決定できることを検証した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Ito and K.Hayashi: "Physical Background of Breakdown Pressure in Hydraulic Fracturing Tectonic Stress Measurements" International Journal of Rock Mechanics and Mining Sciences & Geomechanics Abstracts. 28. 285-293 (1991)

  • [文献書誌] T.Ito and K.Hayashi: "Determination of the Horizontal Principal Stress from Pressure Decay after Breakdown in Hydraulic Fracturing" Geothermal Resources Council Transactions. 15. 483-488 (1991)

  • [文献書誌] K.Hayashi and B.C.Haimson: "Characteristics of Shut-in Curves in Hydraulic Fracturig Stress Measurements and the Determination of the In-Situ Minimum Compressive Stress" Journal of Geophysical Research. 96. 18,311-18,321 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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