研究分担者 |
吉江 森男 筑波大学, 教育学系, 助教授 (30133044)
谷口 すみ子 東京工業大学, 留学生教育センター, 講師 (30217129)
渡邊 光雄 筑波大学, 教育学系, 教授 (90015850)
仁科 喜久子 東京工業大学, 留学生教育センター, 助教授 (40198479)
深尾 百合子 名古屋大学, 言語文化部, 非常勤講師 (90272640)
深田 淳 名古屋大学, 言語文化部, 助教授 (30199161)
畑佐 一味 パデュー大学, 外国語外国文学部, 助教授
デビッド O.ミルズ ピッツバーグ大学, 東アジア言語文化部, 教授
筒井 通雄 ワシントン大学, 工学部, 助教授
山元 啓史 筑波大学, 文芸・言語学系, 助手 (30241756)
酒井 たか子 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (40215588)
市川 保子 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (70223089)
西村 よしみ 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (40208228)
MILLS David O. University of Pittsburgh, Department of East Asian Languages and Literatures, Pr
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研究概要 |
平成4年度は,平成3年度にMIT夏季集中科学技術日本語コースにおいて試用・評価を行ったプロトタイプ版読解支援システムをさらに改良し,テキスト教材の数を増やして,平成4年の夏季コースにおいて定期的な試用を行うことによって,システムのコース・プログラムにおける評価,学生の学習特性との関連を考慮した評価を行った。 4月26日〜5月15日にかけて,米国パデュー大学の畑佐氏を招へいし,名古屋大学の深田氏と協力して,改良版読解支援システム,CATERS(Compuler Assisted TEchnical Reading System)を完成した。システムは畑佐氏が米国へ持ち帰り,MIT夏季コースのミルズ氏に届けた。コース開始の6月15日までの間,ミルズ氏がシステム評価を行い,それに基づいて必要な修正を行った後,夏季コースの第1日目にCATERSの使用方法についてオリエンテーションを行って,コース中定期的に授業の予習用として使うことを学生に依頼した。8週間のコースのうち,今回システムに載せたテキスト教材の授業における使用時期は,「第5世代コンピュータ計画」が1週目,「メカトロニクス」が2週目,新聞「室温で最高速半導体素子」が6週目,「AI」が7週目であった。 7月11日から名古屋大学の深田氏をMITに派遣し,システムのメンテナンス及び読解授業の担当をした。学生のCATERSの使用状況と授業における読解学習行動は,電子メールを通じて筑波大学に報告され,山元・加納がシステムの評価と学生の学習特性を調査するためのアンケートおよびインタビューの調査項目を立てた。7月18日〜25日に山元がMITに派遣され,第一次システム評価アンケート調査と学習特性アンケート調査を行った。7月22日〜8月1日に加納もMITに行き,読解授業の観察,第二次システム評価アンケート調査と学生へのインタビュー調査,教師へのインタビュー調査を行った。CATERSを使用した学生の学習履歴は,コース終了時(8月8日)に深田が回収して,筑波大学へ送った。 10月4日,5日に名古屋大学言語文化部において,CATERSの試用報告会議が行われた。国外を除く全研究分担者が一同に会し,CATERSのデモンストレーション,MIT夏季コースの報告,コースの授業観察に関する報告,システムの評価に関する報告が行われた。また,10月5日の午後,日本語教育学会平成4年度秋季研究大会において,CATERSの研究発表を深田・加納・畑佐・山元が行った。今年度は国際学術研究の最終年度にあたるため,報告書の作成および今後の研究の継続方法に関する討議も行われた。 10月の会議での討議の結果に基づいて,12月27日〜1月7日の日程で東北大学の大坪氏をワシントン大学,シカゴ大学,ピッツバーグ大学に派遣し,CATERSの最終評価を行うことになった。ワシントン大学では筒井氏と,コースから独立した支援システムとしてのCATERSの評価を行い,ピッツバーグ大学ではミルズ氏とMITの夏季コースにおける予習用支援システムとしてのCATERSの評価を行った。シカゴ大学の能登氏は直接本研究とは関わりがないが,米国における日本語教育界の有識者として,コンピュータによる支援システムそのものに関する米国での動向などを調査するため,面談した。 今後は,科学研究費補助金を申請して,総合研究の枠で,まず国内の日本語教育機関の研究者と協力して,CATERSのテキスト教材データを増やしていくこと,広く一般にCATERSの使用ができるような環境を整えていくことに全力を尽くしたい。また,学習特性や授業との関連におけるシステム評価の方法について,さらに研究を進める必要がある。
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