植物バイオサイエンス分野における日仏国際共同研究

1991 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 03044027
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 原田 宏 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90015991)
• 研究分担者: BLONDON F. フランスCNRS植物科学研究所, 主任研究員 ; QUETIER F. 南ハ゜リ大学(フランス), 教授 ; WEIL J. 植物分子生物学研究所(フランス), 教授 ; TEPFER M. INRAベルサイユ研究所(フランス), 研究員 ; DELSENY M. ペルピニャン大学(フランス), 教授 ; RANJEVA R. ポールサバティエ大学(フランス), 教授 ; 下村 講一郎 厚生省, 国立衛生試験所, 室長 ; SANGWAN R.S. ピカルデイー大学(フランス), 教授 ; 佐藤 忍 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70196236) ; 谷本 静史 佐賀大学, 農学部, 助教授 (20217152) ; 小野 道之 信州大学, 繊維学部, 助手 (50201405) ; 猪口 雅彦 岡山理科大学, 理学部, 助手 (00213190) ; 石川 恵子 千葉大学, 園芸学部, 助手 (20212839) ; 野村 港二 筑波大学, 農林学系, 講師 (00183905) ; 京 正晴 香川大学, 農学部, 助教授 (70195395) ; 鎌田 博 筑波大学, 遺伝子実験センター, 助教授 (00169608) ; 酒井 慎吾 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (60033388) ; 藤伊 正 筑波大学, 生物科学系, 教授 (20011611)
• キーワード: 高等植物 / 遺伝子発現 / 形質転換 / 形態形成 / 植物ホルモン / シグナル伝達 / 二次代謝物 / 不定胚形成

研究概要

植物バイオサイエンス、特に不定胚形成や花芽分化等の形態形成反応に関わる遺伝子発現や植物ホルモンのシグナル伝達機構に関するフランスの研究の実状について調査するとともに、植物バイオサイエンスに関する日仏国際共同会議を開催した。
国際共同会議は、日本側11名とフランス側27名が参加し、11月1日〜3日までの期間、南仏にあるペルピニャンで開催された。日仏合わせて21課題の発表を行い、相方の研究実状を理解し合うとともに、今後の共同研究のテ-マ等について活発な議論が行われた。その結果、平成4年度以降は若手研究者を中心に毎年3〜5名程度が2〜3ケ月の中期間渡仏し、特定の課題について共同研究を行うこととなった。
本年度は、研究代表者を含む9名が一緒に渡仏し、INRAベルサイユ研究所、CNRS植物科学研究所、ストラスブ-ルの植物分子生物学研究所、トゥ-ル-ズのCNRSーINRA複合研究所をはじめ各地の大学を訪問し、研究の実状調査と今後の共同研究の実質的な打ち合わせを行った。その結果、フランスにおいても日本と同様に植物の形態形成や植物ホルモンのシグナル伝達機構に関する研究が活発に行われており、特にそのような現象に関与する植物遺伝子のクロ-ニングや発現調節機構に関する研究は日本よりも進んだ技術を有することが明らかとなったため、今後の日仏国際共同研究では、フランス側の有する技術を取り込むとともに、日本側の方が優れた技術を有する植物組織培養については仏側に技術を移転することとした。また、本年度の調査により、日本ではほとんど研究が行われていない根粒菌と植物の相互作用について、フランスでは農業への利用も含めた活発な研究が行われており、今後の対応を考える必要がある。

研究成果

• [文献書誌] T.Kiyosue: "Partial amino acid sequence of ECP31,a carrot embryogenic cell protein,and enhancement of its accumulation by abscisic acid." Planta.
• [文献書誌] S.Sakai: "Regulatory functions of soluble auxin-binding proteins." Int.Rev.Cytology. 195. 239-267 (1992)
• [文献書誌] T.Saitou: "Light requirement for shoot regeneration in horseradish hairy roots." Plant Physiol. (1992)
• [文献書誌] M.Kyo: "Investigation of subcelular localization of several phosphoproteins in embryogenic pollen grains of tobacco." J.Plant Physiol.137. 525-530 (1991)
• [文献書誌] M.Ono: "Changes in in vitro translated polypeptides of pharbitis nil Chois.,strain Violet cotyledons during the first flower-inductive and non-indutive photoperiods." Plant Sci.78. 11-18 (1991)
• [文献書誌] 鎌田 博: "日仏植物バイオサイエンス合同会議に出席して" 植物の化学調節. (1992)