1.レセプタ-様ペプチドの合成とGs蛋白の大量発現:βアドレナリンレセプタ-、ムスカリンレセプタ-の細胞内第3ル-プに相当するペプチドを合成し、G蛋白を活性化するか否かを調べた。βレセプタ-ペプチドはGs>Gi>Goの順に活性化することがわかった。また、M_2レセプタ-の部分ペプチドはGi>Go>Gs>の順に活性化することがわかった。そこで、レセプタ-とG蛋白との相互作用の特異性は部分ペプチドにしてもある程度保持されていることが明かとなった。また、組替え体Gs蛋白を大量発現させてNMRの解析に使用した。 2.全重水素リン脂質の合成:全重水素化したDipalmitoylphosphatidylcholine(DPPCーd_<80>)を合成して、リン脂質二重膜に結合したペプチドのコンフォメ-ション解析に使用した。 3.リン脂質二重膜に結合したレセプタ-様ペプチドのコンフォメ-ション解析:まず、CDによってレセプタ-様ペプチドとリン脂質二重膜をの相互作用を解析した。βレセプタ-の部分ペプチドは膜に結合するとαへリックスを形成するが、ムスカリンレセプタ-の部分ペプチドはαヘリックス構造をとらないことが明かとなった。さらに、マストパランXについては全重水素化したリン脂質存在下でTRNOE測定を行い、Distance geometryと分子動力学計算を行なうことによって、膜に結合した時のコンフォメ-ションを原子レベルで決定した。 4.G蛋白に結合したレセプタ-様ペプチドのコンフォメ-ションの解析:Gs蛋白について各種レセプタ-様ペプチドとの相互作用をNMRで解析した。βレセプタ-の細胞内第3ル-プのペプチドはGsと相互作用するとC末端側でαヘリックスを形成することがわかった。また、他のレセプタ-の部分ペプチドについてもGs蛋白との相互作用を物理化学的に解析を行なっている。
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