研究課題
イタリアのパドバ研究所の大型逆転磁場実験装置(RFX装置)は、現在五百キロアンペア台のプラズマ放電が可能であり、逆転磁場プラズマとしては世界最大のデータが達成され、国際原子力機構(IAEA)主催の制御熱核融合国際会議において、最新のデータが発表された。このための実験が佳境にはいる時期に、実験グループの一員として実験に直接参画し、データの収集、解析を行なう目的で、平成4年8月から10月まで竹治智(東大、工学部)を長期にわたりパドバ研究所に派遣した。この間、主として飛行型粒子検出器によるイオン温度測定に携わり、検出システムのチェック及び検出データの解析を行ない、イオン温度として200〜300eV程度であるというデータを得た。また平成4年10月、小川雄一(東大、工学部)を短期間パドバ研究所に派遣し、国際会議発表直前の実験に参画し、実験データの評価、解析を行なった。引き続き、世界の核融合研究者が一堂に会するこの国際会議に参加し、世界の逆転磁場プラズマのデータ収集を行なうと共に、多くの研究者との意見交換を図り最新のデータと貴重な知見が得られた。また、これら一連の実験で、ULQ配位プラズマも得られており、RFPプラズマとの比較、検討もなされた。英国カラム研究所では、プラズマ圧縮やULQ/VLQ実験が可能な、新しいトーラスプラズマ装置が稼働している。平成5年2月に吉田善章(東大、工学部)と遠山濶志(東大、理学部)をパドバ研究所及びカラム研究所に派遣し、トーラスプラズマの総合的理解を目的として、逆転磁場プラズマ及びトカマプラズマでの実験データの評価、検討を行なうと同時に、研究者との情報及び意見交換を行ない、今後のプラズマ実験に対して、有益な見知が得られた。
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