研究課題/領域番号 |
03044061
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡辺 公綱 東京大学, 工学部, 教授 (00134502)
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研究分担者 |
上田 卓也 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (80184927)
西川 一八 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (60109262)
SPREMULL Lin ノースカロライナ大学, 理学部, 教授
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キーワード | ミトコンドリア / In vitro翻訳学 / リボソ-ム / tRNA / 遺伝暗号変化 / 伸長因子 / 開始因子 |
研究概要 |
動物ミトコンドリアに見られる遺伝暗号の変化(変則暗号)の要因と暗号の翻訳機構を調べる目的で、ミトコンドリアのin vitro翻訳系の確立を目指し、ウシ・ミトコンドリアのリボンソ-ム、tRNA、翻訳に関わる酵素因子の調製とキャラクタリゼ-ションを行った。 渡辺、西川、上田のグル-プ(東工大、東大)は、異常な構造をもつことが遺伝子の塩基配列から推定されていたtRNA^<Phe>、tRNA^<Met>、tRNA^<Ser>(AGY)とtRNA^<Ser>(VCN)をウシ肝臓ミトコンドリアから各0.2ー0.5mg程度調製し、それらの高次構造を熱変性曲線、化学試薬とRNaseの感受性実験で検討した。tRNA^<Phe>とtRNA^<Met>はDル-プとTル-プの相互作用をもたず、緩んだ高次構造をもつこと、tRNA^<Ser>(AGY)は、わがかに痕跡をとどめているDル-プとTル-プとの間に3次元的な相互作用をもつこと、tRNA^<Ser>(VCN)については遺伝子から推測されていたものより実際のtRNAは内部から始まり、従来の共通にクロ-バ葉構造はとらず、アンチコドン・ステムは7塩基対、アミノ酸ステムとDステム間は1塩基よりなる新しい変則的な2次構造をもつこと、が明らかになった。tRNA^<Met>の塩基配裂を再検討したところアンチコドン一字目に未同定の修飾シチジンが発見された。Spremlliのグル-プ(米国、ノ-スカロライナ大)はウイ肝臓ミトコンドリアからリボソ-ム、伸長因子をEFーTu・EFーTs、開始因子IF2を活性を保持したまま調製することに成功し、それらのキャクタリゼ-ションと、アミノアシル-tRNAと相互作用などが調べられている。両グル-プの共同研究が行われ未同定修飾シチジンをアンチコドン1字目にもつtRNA^<Met>がAVGだけでなくAVAコドンも翻訳する機構との関係をホルミル化能、コドン・トリプレットに依存したメチオニルーtRNA^<Met>のリボソ-ム結合能などを調べている。
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