研究分担者 |
LARSEN Chris オーフス大学, 医学部・皮膚科学, 研究員
APPELLA Etto 国立がん研究所(米国), 主任研究員
OPPENHEIM Jo 国立がん研究所(米国), 研究室主任
向田 直史 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (30182067)
笠原 忠 自治医科大学, 医学部, 助教授 (60049096)
村上 清史 金沢大学, がん研究所, 助教授 (90019878)
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研究概要 |
1)IL8,MCAFの遺伝子操作による欠失変異体とキメラ分子を大腸菌,CHOホ乳細胞で発現,精製し活性を調べることにより,活性中心がC末端側αヘリックス領域でなく,2つのCysーCys結合をもち三重鎖のβシ-ト構造からなる骨格の部位にあることが判明した。またNMR,X線結晶解析よりIL8のHis33が活性中心であると予想した。2)IL8,MCAFの受容体cDNAクロ-ニング…この間2つの異なるIL8受容体cDNAが他のグル-プによりクロ-ニングされたが,MCAF受容体cDNAは末だクロ-ニングされていない。現在私達は発表されたものと異なる4つのIL8受容体ファミリ-に属すると考えられるクロ-ンを有しており,現在それらの正確なリガンドの同定を行っている。3)IL8遺伝子発現制御機構の解明…IL8染色体遺伝子のクロ-ニング,IL8遺伝子5'ー上流域のIL1,TNF,PMA,HBVーC反応性エンハンサ-の同定を行いヒト線維芽細胞腫では、C/EBP(NFーIL6)とNFkB様因子結合部位より成立つことが判明した。一方T細胞白血病細胞株,肝細胞腫ではC/EBP(NFーIL6),NFkB様因子結合部位以外に上流域のAPー1結合部位が重要な役割を有することが判明した。またヒト胃癌細胞株ではTNFとγーIFNが相剰的にIL8遺伝子を活性化することが判り、このときもAPー1,C/EBP(NFーIL6),NFkB様因子結合部位が必須に関与することが判った。4)IL8,MCAF蛋白測定システムの確立……モノクロ-ナル抗体とポリクロ-ナル抗体を組合させることにより10pg/mlまでのIL8を検出出来るELISA法を確立した。またMCAFの検出のためのRIA法を確立し100pg/mlまで検出可能である。5)IL8,MCAFのin vivo実験……IL8はin vivoにおける一回投与においては、発熱,血清蛋白誘導能,毒性(致死にいたる)を有さないことが判った。i.p.,i.v.投与でIL8は30min以内に好中球症を引き起こすことも確認した。in vivo実験用のヒト大腸がん、マウスメラノ-マ(転移性,非転移性)株のIL8,MCAF cDNAトランスフェクタントを作製することにもすでに成功した。
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