研究分担者 |
森下 伊三男 朝日大学, 経営学部, 助教授 (40148200)
DULDIG M.L. オーストラリア, 南極局, 主任研究員
FENTON K.B. タスマニア大学, 名誉教授
FENTON A.G. タスマニア大学, 名誉教授
HUMBLE J.E. タスマニア大学, 物理, 准教授
藤井 善次郎 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (10022724)
宗像 一起 信州大学, 理学部, 助手 (40221618)
安江 新一 信州大学, 理学部, 講師 (80020668)
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研究概要 |
エネルギ-領域〜10^<12>電子ボルトの高エネルギ-宇宙線の強度変化、特に恒星時異方性の南北非対称性の観測を行うため、日・豪国際共同研究により信州大松代地下観測所(36゚32゚'N,138゚01'E)と地理的に南北共役点にあるオ-ストラリア・タスマニア島のライアポ-タ(42゚20'N,146゚28'E)に地下宇宙線観測所を開設した。ライアポ-タ地下トンネルは、高エネルギ-宇宙線強度変化の南北両半球の同時観測に望ましい条件である、同じ観測エネルギ-領域、即ち同じ深さ(実際は松代地下は220m水深相当の深さでライアポ-タは154m水深相当の深さ)であるほかに、また電力、通信等の設備、交通の便等の好条件をほぼ満たしている。我々はタスマニア大と共同で1991年11月〜12月に現地に地下観測所を設営し、観測機器を設置、調整後1991年12月7日から宇宙線強度変化の連続観測を開始することができた。現地の宇宙線計、その他の機器は遠隔地であるが、その制御、またデ-タ収集等は、タスマニア大と信州大から直接電話回線を通じて操作できるようになっており、その後観測は順調に行われている。 今年度の前半は、現地に輸送する宇宙線検出器、記録・制御機器およびデ-タ電送システムの製作・調整等を行い、1991年8月にこれら観測機器一式を名古屋港からタスマニアに発送した(研究費の一部をこの輸送関係費に充てた)。教官・技官と3名大学院生が現地に赴き、地下観測所設営及び観測準備に当たった(研究費の一部を教官・技官 2名の渡航費及び滞在費に充てた)。 更に、ライアポ-タ地下観測での宇宙線強度及び日周変化の理論的期待値を計算した。1991年12月から1992年2月間の観測値と期待値を比較し、特に強度について両者に良い一致が得られた。異方性の観測研究については、松代ーライアポ-タ両観測所の今後の観測デ-タの比較検討から南北非対称異方性の確立、そのモデルの議論を行う計画である。
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