研究分担者 |
周 必凡 山地災害, 環境研究所, 教授
唐 邦興 山地災害, 環境研究所, 教授
康 志成 東川泥石流観測研究所, 所長
呉 積善 山地災害, 環境研究所, 所長
水原 邦夫 京都府立大学, 農学部, 助教授 (90026401)
水山 高久 京都大学, 農学部, 助教授 (00229717)
諏訪 浩 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00093253)
沢田 豊明 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60027258)
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研究概要 |
まず,中国側研究者2名を招聘し,研究打ち合せ,およびわが国の代表的な土石流対策,および土石流観測研究の実情を紹介し,討議を行った。次いで,日本側5名の研究者が約1ヶ月間中国を訪問し,山地災害・環境研究所において,従来の研究に対する資料にもとづく問題点の抽出を行い,あわせて,本研究所の大規模実験装置を用いた研究課題について検討した。その後,成都から昆明に至る国道沿線に存在する土石流渓流の現地調査を行い,東川泥石流観測研究所に滞在して,流域の土石流発生条件や堆積状況についての詳細な現地踏査を行うとともに,幸い,目的とした間歇性の粘性土石流の流動の観測ができた。その間,土石流デ-タベ-スの作成問題を含めて,共同研究が堆進された。 粘性土石流の流動機構に関しては,中国側が流動物の採取およびレオロジ-試験を行い,日本側は帰国後,それらのデ-タを参考に,実験水路を用いた基礎実験を行い,基本的流動機構の把握を行った。流動特性の観測研究に関しては,持参したTVカメラによる分析により,連続流型から間歇型への遷移の状況,間歇性のものは約2分間隔で波が流下し,その移動速度は平均9m/s程度であること等が判明した。試験流域内の河道の土石流通過区間および堆積区間の地形測定を日・中共同で実施し,この繰返しによって,土石流の発生と地形変化の関係を求めつつある。数多くの土石流渓流の現地調査により、土石流出策法としては,日本ではダムの貯砂量で対応しようとするのに対して,中国ではダムによる河床勾配の低減に期待するといった考え方の違いがあることが確認された。土石流デ-タベ-スに関しては,まだ資料数が不足しているが,流域の地質,流域面積,崩壊土砂量,降雨量,流出土砂量,および災害の規模について整理している。
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