研究課題/領域番号 |
03044086
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
稲葉 カヨ 京都大学, 理学部, 助手 (00115792)
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研究分担者 |
ROMANI Nikol インスブルック大学, 理学部, 助教授
GRANELLIーPIP アンジエラ ロックフェラー大学, 細胞生理・免疫学部門, 准教授
STEINMAN Ram ロックフェラー大学, 細胞生理・免疫学部門, 教授
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キーワード | 樹状細胞 / 抗原提示 / ランゲルハンス細胞 / T細胞活性化 |
研究概要 |
樹状細胞のT細胞依存性免疫応答の始動における役割を検討し、以下の結果を得た。 細胞性抗原であるMlsに対する新生仔マウス胸腺における免疫寛容は、活性化B細胞だけでなく胸腺樹状細胞や脾樹状細胞によっても誘導されることが示された。その機構は、B細胞では特異的T細胞の除去であるのに対し、樹状細胞では不活化であることから、両細胞の作用が異なる可能性が示唆された。一方、ヒトγーグロブリンやウシ血清アルブミンなどの可溶性蛋白抗原を寛容原として用いた場合、投与量に応じて寛容が誘導された。なお、この免疫不応答性は、抑制性T細胞によるものではない。免疫原となり得る形状の抗原が樹状細胞によって提示されない可能性を検討したが、否定的な結果を得た。また、抗原パルス樹状細胞を寛容原投与時あるいは日前に摂取しても、不応答性の誘導を阻止することはできなかった。この結果は、成熱した樹状細胞以外の細胞とT細胞との相互作用によって、免疫寛容が誘導されている可能性を示唆している。しかし、未成熱な樹状細胞によるという可能性は否定できない。この点に関しては、検討中である。 1)インフルエンザウイルス抗原の樹状細胞による提示は、CD4陽性T細胞の活性化は通常の蛋白抗原と同様のプロセシングを、CD8陽性T細胞の活性化には細胞ない感染が必要であること、2)HIV感染樹状細胞内でのウイルスの増殖は認められないが、CD4陽性T細胞との相互作用によりウイルスを伝幡すること、3)マウス新鮮精製ランゲルハンス細胞では、ILー1α,ILー6の産生は認められないが、ILー1β,ILー8の産生が認められることがPCRによりしめされる等の研究成果の報告を、共同研究者から得ている。
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