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1991 年度 実績報告書

糖尿病における各種糖輸送担体遺伝子の役割に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03044088
研究機関京都大学

研究代表者

清野 裕  京都大学, 医学部, 助教授 (40030986)

研究分担者 BURANT Charl  シカゴ大学, 医学部, 研究員
SEINO Susumu  シカゴ大学, 医学部・千葉大学・医学部・準教授, 教授
BELL Graeme  シカゴ大学, 医学部, 教授
石田 均  京都大学, 医学部, 助手 (80212893)
津田 謹輔  京都大学, 医学部, 助手 (10180001)
キーワード糖輸送担体(GLUT) / インスリン / 筋肉 / 肝 / ラ氏島 / 遺伝子発見
研究概要

我々はすでにシカゴ大学との協同研究により、5種類の糖輸送担体(GLUT)のクロ-ニングに成功し、これら蛋白の一次構造を決定している。このうちGLUT2はラ氏島や肝に存在して、それぞれインスリン分泌や糖放出に関与し、GLUT4は筋肉や脂肪組織に存在してインスリン依存性の糖の取り込みにかかわっている。本年度はまず、糖尿病ラットにおけるGLUT遺伝子の発現について検討を加えた。糖尿病ラットとして高インスリン血症、肥満を伴うWistar fattyラットと低インスリン血症、やせを伴うストレプドゾトシンラットを用いた。肝におけるGLUT2の発現はいずれのラットにおいても著明に亢進していたが、下腿筋におけるGLUT4は対照と差を認めなかった。これらのラットでは肝におけるGLUT2の発現が増大することにより、肝よりの糖放出の亢進に寄与している可能性が示唆された。つぎにラ氏島におけるGLUT2の発現について検討を加えた。ラット単離ラ氏島ではGLUT2の著明な発現がみられ、高グルコ-スにより遺伝子発現は増加傾向を認めた。PCR法によりグルコ-スによってGLUT2の発現が著明に増加することを確認した(シカゴ大学)。さらにラットラ氏島においてはGLUT2のみならず僅かではあるがGLUT1の存在も認められ、これもグルコ-スによって発現が増大した。一方、ヒトラ氏島におけるGLUTについても検討をするため、シカゴ大学においてヒト単離ラ氏島よりTotal RNAを抽出した。これをPCRにより増幅して検討を加えたところ、ヒトラ氏島ではGLUT1、GLUT2、GLUT3が検出された。これらの事実より、ラ氏島においては主としてグルコ-スに対する親和性の低いGLUT2がグルコ-ス濃度を認識してインスリン分泌にかかわっていると考えられる。GLUT1、GLUT3発現の意義についてはなお明らかではなく今後の検討が必要である。またこれらの異常と糖尿病との関連について引続き検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Kurose,Y.Seino,et al.: "Meshanism of xympathetic neural regulation of insulin,somatostatin,and glucagon secretion" Am J Phys. 258. 220-227 (1990)

  • [文献書誌] H.Yano,Y.Seino,et al.: "Tissue distribution and species difference of the brain tpye glucose transporter (GLUT3)" Biochem Biophys Res. 174. 470-474 (1991)

  • [文献書誌] J.Takeda,Y.Seino et al.: "Expression of the CRE-BP1 transcriptional regulator binding to the cyclic AMP response element in central nervous system,regenerating liver,and human tumors" Oncogene. 6. 1009-1014 (1991)

  • [文献書誌] K.Yasuda,Y.Seino,et al.: "Expression of GLUT1 and GLUT2 glucose transporter isoforms in rat islets of Langerhans and their regulation by glucose" Diabetes. 41. 76-81 (1992)

  • [文献書誌] N.Inagaki,Y.Seino,et al.: "c-Jun represses the human insulin promoter activity that depends on multiple cAMP response element" Proc Natl Acad Sci USA.

  • [文献書誌] N.Inagaki,Y.Seino,et al.: "Glucose as a regulator of both glucose transport activity and glucose transporter mRNA in a hamster beta cell line" Diabetes.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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