研究課題/領域番号 |
03044107
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
岩尾 洋 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00137192)
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研究分担者 |
CORVOL Pierr College de France de Medicine, Experimmta
GANTEN Datle ハイデルベルグ大学, 薬理学研究所, 教授
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キーワード | 高血圧 / レニン・アンジオテンシン系 / トランスジェニックラット |
研究概要 |
近年循環器系の疾患の増加が著しく、その多くが高血圧症を基礎疾患とする場合が多いことから、高血圧症の発症機構の解明と、抗高血圧薬の開発は重要である。ガンテン等は、ラット受精卵にマウス顎下腺レニン遺伝子を移入し、新しい高血圧モデルラットを作製した。このトランスジェニックラットの利用法を調査する目的で病因の解析と降圧薬等の作用を調べることにより、このモデル動物作製法が有効な薬理学的手法となりうる可能性を検討調査した。平成3年度は下記の項目を調査した。 (1)飼育環境と試料:飼育は、室温21℃、湿度50%で毎時15Lの空気を換気した部屋で行ない、12時間の照明を300Luxで行なう。飼料として、Altromin社製のalterpomin1314の飼料を使用する。飼料の組成は、タンパク質19%、カルシウム0.9%、ナトリウム0.2%、マグネシウム0.2%、リン0.7%である。(2)成長と寿命:現在、42週齢まで経過を観察中である。体重増加はオス(10週ー330g、20週ー450g、30週ー515g、40週ー520g)、メス(10週ー225g、20週ー290g、30週310g、40週ー330g)であった。この体重増加は、heterozygousのものであるが、hemozygousでも同様であった。原因は、結果を出すに必要な頭数の確保が困難なためである。heterozygousのオス5頭、メス5頭を42週齢まで追跡調査した結果、オス4頭、メス5頭が生存中である。(3)血圧上昇の時間経過:4週から8週にかけて、血圧は急激に上昇する。オスの血圧は、メスより高値である。hemozygousは、オス・メス共にhetrozygousより血圧は高い。(4)血漿中のアンジオテンシンIIは低下しており、これは血漿レニン活性の低下によるものと考えられる。しかし、副腎のレニン含量は著しく増加している。
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