研究分担者 |
小野 真弓 大分医科大学, 医学部, 助手 (80128347)
河野 公俊 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00153479)
LONGO Dan 国立癌研究所, フレデリック支部(米国), 部長
SCHLESSINGER デーヴイド ワシントン大学, 医学部(米国), 教授
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研究概要 |
癌の治療における最大の難関の1つは抗癌剤に耐性を示す癌の出現である。この分子機構を明らかにする目的で耐性と関連するヒトゲノム構造の解析を進め,癌の耐性の診断や治療へ貢献したいと考えた。本年度は,1.耐性の中でも最も解析が進んでいる多剤耐性をになうPー糖蛋白質の遺伝子MDR1はヒト染色体7番目q21に存在する。我々の単離しているMDR1プロモ-タ-をプロ-ブにしてワシントン大学医学部医学遺伝学センタ-(共同研究者:David Schlessinger教授・所長)において樹立しているYACーヒトゲノムの中から,同センタ-でMDR1遺伝子を含む約10個のYACーMDRを単離した。2.現在,YACーMDRをパルスフィ-ルド電気泳動法を用いて解析し,MDR1遺伝子及びMDR3遺伝子を含むと考えられるゲノムを含む2,000,000ー5,000,000baseを単離した。さらに,同ゲノムの制限酵素地図を作成する仕事を開始している。3.MDR以外に現在我々は,エトポシド耐性と関連するヒトDNAトポイソメラ-ゼII遺伝子及び新たな温度感受性遺伝子をさらに5ーフルオロウラシル耐性と関連すると考えられるウリジン輸送の膜蛋白関連のヒト遺伝子を単離することを進めている。他方,耐性変異株の研究を進める過程で,ヒト上皮増殖因子(EGF)受容体遺伝子発現が重要であることも明らかにしつつある。4.本年度は,我々の研究室から米国へ行って仕事を進めた。来年度は,米国から共同研究者であるDan Longo博士を招へいしたり,こちらからむこうへ行って仕事を発展させたいと考えている。
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