研究課題
はじめに対象地周辺の状況を正確に把握するための基礎的検討をすすめた。そのために、リモ-トセンシング技術の研修を行い、森林開発進度解析方法の具体的目途を得た。次に基礎的技術研究として、植生判読のために分光反射率計によって植物の分光反射特性の調査を開始し、現在も継続的に調査している。これらのデ-タの集積により、リモ-トセンシングデ-タから、より詳細な植物情報を抽出でき、ブラジルの森林の現況および開発進度の把握のための基礎資料を得ることができ、この手法は今後大いに役立つものと考える。一方、対象地域のマナウス市周辺のランドサットデ-タ(TM:パスD231ーロウ062 1987.07.12撮影)を購入し、パソコンによる解析を行い、森林と農地等の大まかな区分に3,4および5バンドが非常に有効であることを見出した。現地調査のため、吉田と長を平成4年1月7日〜28日にブラジルに派遣し、サンパウロ市、クリチバ市およびマナウス市とその周辺で森林開発進度に関する調査と資料収集を行わせた。また同時にアンケ-ト項目の整理、森林意識調査法および調査時期の検討を行い、3対象地域の各大学と高校で合計600名の調査を行うことにした。調査実施後は、直ちに資料を回収・日本に返送し、解析の予定である。森林観については、ここ10年間の各国、とりわけここ数年の調査より、若者の意識に著しい変化(森林観が非常に観念的になっている)がみられることを見出した。したがって、こうした知見に基づき次年度にはブラジルの若者と一般住民の意識との比較を考慮し、調査を進めてゆくことにした。本年度の研究で得られた成果(派遣時に収集したブラジルの森林の現況等を含む)は、4月に東京で開催される日本林学会で発表する予定である。
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