研究分担者 |
劉 文鎖 新疆文物考古研究所, 研究員
王 炳ほあ 新疆文物考古研究所, 所長教授
樊 自立 新疆生物土壌沙漠研究所, 副教授
夏 訓誠 新疆生物土壌沙漠研究所, 所長教授
荒川 正晴 早稲田大学, 文学部, 非常勤講師
大橋 一章 早稲田大学, 文学部, 教授 (80120905)
桜井 清彦 早稲田大学, 文学部, 教授 (60063195)
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研究概要 |
平成3年度はタリム盆地内のシルクロ-ドの路線と主要遺跡を全面的に踏査する予定であったが,中国側研究者の友好的協力によりほぼ予定通り各地の遺跡を踏査することができた。 中国では昨年2月国家文物局令が発布され,各地の遺跡・文化財の調査研究については,すべて国家文物局長の許可の下に行なわれることとなった。そのため今回の我々の調査は,新疆文化庁主催の下に新疆文物考古研究所と沙漠研究所協力の下に実施された。 現地における共同調査は,別表の如く1991年7月16日より8月22日まで38日間実施され,さらに8月23〜25日は,西安の文物調査を行なった。現地調査後,8月19・20,ウルムチの考古研究所でシルクロ-ドの共同研究会を開催し,本年度の調査結果と来年度以降の調査計画が討議され,多くの成果をあげることができた。本年度の主な成果は,次の通りである。 (1)新疆ウイグル自治区南疆の全面的踏査を実施したこと。従来われわれは,10数回にわたって新疆南疆の見学を部分的に行なってきたが,今回始めて南疆一同の踏査を実施し,各遺跡の歴史的地理的位置関係を確認することができた。 (2)新疆・南疆の各地において,従来未開放地域のため見学できなかった遺跡を多数踏査できたこと。たとえばトルファンの雅尓湖千仏洞,トユクチ仏洞,勝金口千仏洞,柳中古城古墓,コルラの焉耆古城,シクチン仏跡,和靜古墓,その他温宿古城,カシュガル仏跡,且末古城等,多くの遺跡を実地踏査することができた。 (3)古代シルクロ-ドの再検討,現在の南疆の自動車路は必ずしも古代シルクロ-ドと同一でなく,古代シルクロ-ドの実態については,さらに沙漠の中に入り,古代の交通路を踏査しなければならないことが判明した。
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