研究課題
1.我々はEーERSー1衛星の精密軌道デ-タを固体地球物理・雪氷学的に役立てるためにPRARE地上局を昭和基地に設置すべく計画し、準備を進めた。そしてESAは1991年7月17日EーERSー1衛星を打ち上げ、軌道に乗せることに成功した。しかし、EーERSー1搭載のPRARE衛星局は1991年7月29日故障し、12月上旬Failure Review Boardの診断結果が公表されたが、PRARE内蔵メモリ-が電離層乱れに伴う強い放射線で破壊され、機能の回復は不可能という結論だった。2.平成3年9月の時点で平沢・渋谷がドイツ測地学研究所を訪問し技術的な善後策を協議した。さらに、平成4年3月江尻(協力者)をドイツ測地学研究所へ、渋谷をオハイオ州立大学で開催されていた第6回国際衛星測位シンポジウムへ派遣し、GPSやDORISを含めて研究計画を再構成することをヨ-ロッパ・アメリカの研究者の意見を聴取しつつ協議し、両研究所の協力体制を維持することを確認した。3.予定されている衛星軌道追跡局のWGS84座標系での局位置を±0.2m精度で求めるために、International GPS Geodynamics Servicesとして予定される1992年7月ー9月のGPS国際キャンペ-ンに協力することにした。また、SPOT、Topex/Poseidon搭載のDORIS追跡に対応したアンテナを昭和基地に設置できるか検討し、EーERSー2衛星の精密軌道決定のための極域重力場モデル改良に資することにした。4.EーERSー1衛星のice modeによるレ-ダ-高度計デ-タと地上標高デ-タの比較はアルフレッド・ヴェゲナ-研究所とも協力し、従来通り継続する。レ-ダ-高度計デ-タの精度評価に必要な精密ジオイド高測定や、合成開口レ-ダ-画像の解析に関わる地上トル-スについて成果が得られている。
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