研究課題
本年度当初の研究実施計画にほぼ従った形で研究が進められ、以下のような成果が得られた。1.江尻がドイツ測地学研究所を訪問し、ERS-2搭載PRAREのシステム概要について討議した。地上局のハードウェア構成はERS-1用と同一設計であり、ERS-1用をそのまま使用できることを確認するとともに、昭和基地での運用方法について詳細を議論した。インターネット利用による衛星データ転送手順について打ち合せした。昭和基地受信SARデータを用いたSAR干渉解析法による南極氷床地形の共同研究の可能性を議論した。2.渋谷がフランス国立地理研究所を訪問しSPOT、TOPEX/POSEIDON搭載用DORISビーコン局の昭和基地での保守運用手順についてつめを行った。ビーコンは34次隊により昭和基地に搬入され、1993年2月から発振を開始した。衛星が正常にデータ受信していることが確認された。TOPEX/POSEIDON衛星の精密軌道決定を通じて南極海域の重力場モデル改良に資する目途がついた。3.ハンス・シェンケ(アルフレッド・ヴェゲナー研究所)が来日し、ERS-1レーダー高度計データ(ALT)の解析を行った。地上トルースとの検証からALTが5-10cm精度(氷床平坦域)を持つことを確認した。南極GPSキャンペーンについて討議した。滞在中のe-mailを活用した打ち合せにより、6基地が参加する国際GPSキャンペーンが実現した。4.クリストフ・ライグバーの推薦によりローマン・ガラス(ポツダム地球物理中央局)が来日し、予定された項目について討議した。ERS-2に先行するMETEOR-3でのPRARE計画について情報提供があった。PRARE追跡データを活用したSAR干渉解析法について討議した。DORISとPRAREの電波干渉の有無を議論したが結論は持ち越された。南極GPSキャンペーンデータの解析ソフトウェアを極地研に移植する手順、及びデータの共同解析について打ち合せを行い、H5年度実施する段取りをつけた。
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