研究概要 |
1。細胞内水,Na,Kの動的挙動の研究 細胞内外のNaをNaー23NMR法に緩和時間測定法、多量子緩和測定法を用い、細胞内外におけるNaの動的挙動を明かにした。細胞内Na,水の並進運動速度をパルス磁場勾配法をNaー23,Hー1 NMR法に用い測定した(瀬尾,村上,Lee,McDouall,Rooney)。これらの成果のもとに、11月中旬に研究打ち合せ会議を岡崎にて行い(Springer,Steward,Wimperis,Pekar,Shinar)。多量子NMR法を用いた細胞内電解質(Na,K,Cl,Rb等)の研究成果を討論し、細胞内の電解質が今まで考えられていた以上に束縛された状態にあることががわかった。今後、細胞内電解質の物理化学的存在状態の研究を新しい化学シフト剤の開発(Springer)、磁気緩和理論の構築(Wimperis,Shinar)、in vivo多量子NMR測定技術開発(瀬尾,Pekar)の方向でおこなっていくことが合意された。 2。細胞内水,Na,Kの定常分泌相における動態の解析 Hー1,Naー23,Kー39 NMR法を用い測定した。定常分泌相において細胞内水,Kは約30%減少し細胞内Naは2ー3倍に増加することを明かにした。細胞内水の動的変動測定への微小磁気共鳴画像法の適用について、基礎実験と技術収集をおこなった(瀬尾,McDouall,大河原)。 3。細胞内Caの分泌刺激中の時間的変動の測定法の検討 蛍光分光法により上皮膜組織の分泌初期の細胞内Ca変動測定について、とりわけ、単離細胞系での時間経過の速い変化の測定について方法論を中心に情報収集、検討を行った(Case・Steward・村上・瀬尾)。
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