研究分担者 |
HEINZ W Kunz ピッツバーグ大学医学部病理研究室, 教授
YUICHI IWAKI ピッツバーグ大学医学部移植研究室, 教授
THOMAS J Gil ピッツバーグ大学医学部病理研究室, 教授
森脇 和郎 国立遺伝学研究所細胞遺伝研究部門, 教授 (50000229)
玉置 透 東京医大八王子医療センター移植部, 講師
山田 淳三 京都大学医学部動物実験施設, 教授 (90025651)
松本 耕三 徳島大学医学部動物実験施設, 助教授 (00002246)
名取 孝 (財)実験動物中央研究所, 移植研究室, 室長
野村 達次 (財)実験動物中央研究所, 所長 (10072399)
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研究概要 |
平成4度の研究活動の成果は以下の2点にまとめられる。 (1)加藤,名取および野村はピッツバーグ大学を訪問してGill班員らが育成したラットの凍結保存ならびに微生物学的清浄化についての打合せ会議を行った。前年度から実中研に輸送されたラット系統については逐次胚の凍結を開始している。概ね良好な成績で胚の凍結は進められているが,BN系統における成績が繰り返し行った実験でも悪いことが明らかになった。マウスにおいてもDBA/2系統などでこのような傾向が見られているので興味深い結果である。 (2)外国人班員のT.Gill3(ピッツバーグ大学)およびH.W.Kunz(ピッツバーグ大学)が本研究で招聘され,1993年1月16日から22日まで東京と川崎を訪問した。訪日期間中,本研究組織の班会議,遺伝的モニタリング技術に関するワークショップ,ラット国際命名規約委員会の設立準備会議,凍結保存打合せ会議等が開催された。班会議は,特に我が国の研究者への本研究班の趣旨の啓蒙を行うために全国の大学等から参加者を集って行われた。会議では,Gill班員が実験動物におけるラットの位置づけを生物学的な特徴を示しながら解説した。Kunz班員は,ラットの主要組織適合抗原遺伝子群について特に免疫系への関与について解説し,今後免疫抑制剤の開発が重要であることを示した。これを受けて,玉置班員はラットを用いた移植実験系の確立と一部の免疫抑制剤の評価実験を紹介してその系の有用性を示した。野村班員は,国際実験動物学会議(ICLAS)の立場で実験動物学全体の動きを国際的な観点で解説すると共に将来へ向けての分析を行った。その他,糖尿病研究におけるラットのモデル動物の有用性やトランスジェニック高血圧ラットなどについても発表が行われ,活発な議論が行われた。
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