研究課題
本年度はまず、ウッズホール海洋研究所のジョン・ホワイトヘッド博士を、8月18日〜9月1日の15日間招へいし、東大海洋研究所において、木村および杉本と主として、海水中に渦が発生するメカニズムに関する共同研究を行った。ホワイトヘッド氏は、海洋研究所の実験室で、回転水槽を用いて、水面を冷却して発生する密度流に伴う前線渦に関する実験を行い、そのメカニズムについて、様々な意見交換を行った。帰国後に、さらに実験を続け、次年度に東大海洋研での実験結果と比較する予定である。杉本は、東シナ海および北海道南東岸の陸棚斜面部に係留系を設置して得た、それぞれ黒潮および親潮中の流速の短期〜季節変動の時空間特性を解析し、さらに西海区水産研究所、北海道水産研究所等の海洋観測データとつきあわせて考察を行った。海底関係では、藤本が2月17日〜25日にウッズホール海洋研究所を訪門し、リチャード・フォン・ヘルツェン博士他と、観測計画に関する研究打合せを行った。国際深海堀削計画(ODP)では、大西洋中央海嶺のTAG海域(26゚N付近)において、熱水活動域の堀削を1994年に行う。海嶺域における過去の堀削の結果は、堀削が熱水活動に大きな影響を与えることを示しており、堀削中および堀削前後の変化をモニターすることにより、熱水活動のメカニズムを調ベることとした。生物関係では、ピーター・ウィービ博士を別途費用で招へいし、主として動物プランクトンの音響的調査解析手法について意見交換を行った。また、中田がウッズホール海洋研究所等を訪門し、ジョージスバンク周辺域の海水循環とプランクトンの生産、さらにそれらがタラ類仔稚魚の輸送、生残に及ぼす影響について、ウィービ・デービス両博士と討論を行った。
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