研究課題
東京大学工学部河野通方教授を平成3年9月にア-ヘン工科大学衝撃波研究所へ派遣し、同研究所の衝撃波研究・超音速流れの測定技術についての情報を交換した。特にカラ-シュリ-レン法の測定技術の超音速流れ測定への有用性を検討した。現在、当研究室では、超音速流れ中にデトネ-ション波をバランスさせ、そこで超音速燃焼を起こさせる計画で、そのために可燃性予混合気を衝撃波管を用いて加速し、マッハ数5以上の超音速流れを起こす必要がある。これには予混合気を着火限界より低い温度に保持する必要がある。本年度は2段膜衝撃波管を製作し、この後流側に末広ノズル設置し、超音速流を得るように設計した。2段膜衝撃波管は末広ノズル前面で発生した衝撃波の逆進を防ぐために必要であった。現在、ナノスパ-ク光源を用いて、シュリ-レン測定により、衝撃波角を測定することにより、流速を測定しており、いままでに、マッハ数5までの速度が観測された。ア-ヘン工科大学衝撃波研究所より、平成4年1月から3月にわたって、H.クライネを当横浜国立大学・工学部・熱学研究室へ招へいし、上記実験を当研究室と共同で行った。同氏は特に超音速流れ中の斜め衝撃波のシュリ-レン測定を行った。またカラ-シュリ-レンの測定技術に関しての講演をし、同法を当研究室に伝えた。この間、同氏を本研究分担者のいる東京大学・工学部・航空学科に派遣し、同所で超音速流についての研究交流・講演が行なわれた。これ以外に、横浜国立大学の当研究室においては、ラバルノズルによる超音速流れを生成する実験を行い、圧力測定より、推定マッハ数2迄が得られた。これに伴う噴霧燃焼実験も行われた。燃焼速度の直接測定はまだ行われていない。今後、超音速流れの測定技術の改良をア-ヘン工科大学で行い、横浜国立大学においてはマッハ数のさらに高い流れの生成、流速・圧力の測定技術の開発を行う計画である。
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