研究概要 |
LービオプテリンをHMDSでテトラキス(トリメチルシリル)化した後,ルイス酸存在下グリコシル化を種々の条件下で検討した。目的とするDーリボフラノシドおよびDーグルコピラノシド体は得られることは分ったが,収率は5〜20%に留まった。この主な原因はビオプテリンの2位のアミノ基および4位のアミドカルボニル基上のトリメチルシリル基が,グリコシル化の反応条件下で脱離しやすく,その生成物が難溶性となることにあると考えられたので,これらの官能基に適切な保護基を導入することを検討した。その一方法としてビオプテリンをDMFジメチルアセタ-ルとDMF中0℃で反応させると側鎖のジオ-ルがフリ-のまゝ2ー(N,Nージメチルアミノ)メチレン誘導体が収率75%で得られた。これを無水酢酸ピリジンで側鎖のジオ-ルをアセチル化の後,光延反応で4ー0ー[2ー(pーニトロフェニル)エチル]誘導体とした(80%)。この化合物を50℃で加メタノ-ル分解で側鎖の脱アセチルをして効率よく2位のアミノ基と4位のアミドカルボニル基の保護されたLービオプテリンを調製した。これをHMDSでビス(トリメチルシリル)誘導体とした後,四塩化スズ存在下1ー0ーアセチルー2,3,5ートリー0ーベンゾイルーαーDーリボフラノ-スを糖のモデル基質としてグリコシル化を行い,生成物を分離精製したところLービオプテリンの側鎖の2'位のモノグリコシド体(47%)と1',2'位のジグリコシド体(22%)が得られた。これらのグリコシド生成物について選択的合成,収率向上,脱保護を現在検討中である。またDーグルコ-スなど他の糖を基質に用いるグリコシド体合成,並びに他の保護基についても検討を重ねている。ひきつづき,Lービオプテリングリコシド体をジヒドロおよびテトラヒドロ体に誘導することを計画している。
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