研究課題/領域番号 |
03045043
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
重見 之雄 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (40043509)
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研究分担者 |
SARIB Murtad ボゴール農科大学, 水産学部, 助教授
山尾 政博 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (70201829)
岩切 成郎 鹿児島大学, 名誉教授 (70041689)
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キーワード | 北スラウェシ / 漁船の動力化 / 船外機 / 漁港の整備 / 加工設備 |
研究概要 |
インドネシアの漁業は小規模な沿岸漁業が中心で、それによる漁獲量が全漁獲量362万トンの約90%以上を占めている。当該国の水産物輸出量の増大と、最近の食生活の変化の中での動物性蛋白質の供給源としての重要性が高まって、国内での需要量も著しく増大傾向にある。それにともなって漁獲量の急速な増大がみられる。 今回調査した北スラウェシでの漁業も小規模であることに加えて多種多様である。すなわち船曵網、まき網、刺網、敷網、一本釣、打瀬網などが行なわれている。特にまき網の導入は1980年代における漁船の動力化に負うところが大である。動力化はわが国などと異なり、船外機の取り付けによるもので、船外機にはわが国のヤマハ製などが多く使われている。 調査したケマティガ漁村は全世帯数が約500でそのうち約80%が漁業世帯、モロンパ漁村も334世帯のうちほゞ同称の割合が漁業世帯であるといういずれも漁業への依存度はきわめて高い。漁船の動力化が著しい漁獲高の増大をもたらせたが、漁業経営者、家族だけによる自営漁業者および乗組員という、いわば階層の分化を生ぜしめた。また漁獲量が増大してもそれに伴なう漁港の整備が全くなされていない。熱帯気候のもとでは漁獲物が腐敗し易いが、船自体の冷凍設備はおろか、漁港にも全くみられない。ただこれら漁村には小規模な製氷所は存在し、氷詰めにしてメナドなどの魚市場へ出荷されるが、女性の担いでの行商により、周辺の農村部へもかなり販売されている。今後は漁港や加工設備、流通機構の整備が望まれる。
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