研究分担者 |
YUPHA Klangs タマサート大学, 社会学・文化人類学部, 助教授
PRASERT Chit タマサート大学, 政治学部, 教授
酒井 由美子 中央大学, 法学部, 助教授 (60196053)
斎藤 優 中央大学, 経済学部, 教授 (40055116)
鶴田 満彦 中央大学, 商学部, 教授 (50055133)
桐山 昇 中央大学, 商学部, 教授 (80177964)
高柳 先男 中央大学, 法学部, 教授 (70055169)
|
研究概要 |
中央大学において研究会を継続的に開催すると共に,タマサート大学プラサート教授の「日米ODAに比較」をテーマとする研究会を開催した。これらの研究会ではODAの理論的検討を行った。 現地調査はバンコク班(斎藤)はタマリート大学の研究員と共同でタイ・日本側のODA関係機関の調査を実施した。タイ南部調査団はソンクラ大学スティポン教授らの協力をえて,政治班(高柳),経済班(鶴田),社会班(吉沢)に分れて,現地調査を実施した。 タイ南部調査は,マレーシアに隣接したイスラム教従の多い,ハジャイ,ソンクラ,ナラチワット地区内の「ソンクラ沿岸洋殖センター」(水産無償地力,8億円,1981〜87)と「バンナラ川灌漑排水計画」(無償援助,39億円,1989〜91)を対象とした。ソンクラ沿岸養殖センター」の技術開発の波及効果とみられるソンクラ海岸70kmにわたり形成されたえび養殖場の調査は,(1)酸素吸引機,農薬を用いた集約的な生産であり,収益性の高い投機的性格をもった経営であること,(2)大量の薬剤の使用は,排水溝を汚染し,環境問題を生んでいる,(3)高い収益性のため,森林は伐採され,水田はえび養殖場に転換され,えび養殖モノカルチャーが形成され,環境問題を発生させている,事実が明らかになった。「バンナラ川灌漑排水計画」では,このプロジェクトの影響を受けた5つの村落調査を実施し,米の生産量の増加という成果を確認すると共に,(1)泥炭地で酸素化した土壌改良,(2)飲料水の確保が緊急な課題となっていることを明らかにした。237のホテルを有するプーケット島でも水資源の確保が最大の問題となっている。タイ南部のムスリムのスラム,ゴム農園で活躍しているNGOの調査は,タイ南部社会の社会問題を明らかにすることができた。なお3月に酒井によって行われた補足調査では統計資料など現地資料を収集した。
|