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1991 年度 実績報告書

細胞膜陰イオン透過に関する機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 03045047
研究機関福岡大学

研究代表者

濱崎 直孝  福岡大学, 医学部, 教授 (00091265)

研究分担者 MICHAEL L.Je  テキサス大学, 医学部, 教授
キーワード細胞膜の物質透過 / 赤血球膜 / 陰イオン透過系 / バンド3蛋白質 / 透過活性中心 / DIDS / ピリドキサルリン酸 / NaBH_4 / 1次構造決定
研究概要

赤血球膜を介した陰イオンの透過は典型的な膜内在性蛋白質であってバンド3蛋白質と呼ばれる分子量約10万,911個のアミノ酸から構成されている糖蛋白質で媒介されている。バンド3蛋白質は各組織に存在し,現在のところ3種類のアイソザイムが知られている。陰イオン透過系は細胞内のpHや浸透圧,細胞容積の調節,必須栄養素であるリン酸の取込みなど,細胞が正常に機能するのに必要である基本的環境維持に働いている。赤血球においては炭酸ガス,酸素の運搬に必須の作用であり,循環血液のpH調節にも重要な役割を演じている。
我々は、細胞膜の物質透過の分子機序の理解を深める目的で陰イオン透過機構の蛋白質化学的研究を共同で行っている。本研究プロジェクトでは,赤血球膜陰イオン透過系をモデルとして、その活性中心に必須のアミノ酸残基の決定や活性中心を構成するペプチド群の同定を目的としている。
本年度は、陰イオン透過系の選択的で拮抗阻害剤であるDIDSが特異的に結合するペプチドを同定分離,さらに,一次構造決定を目的として研究を行った。その結果,[ ^3H]H_2ーDIDSと選択的に結合するペプチドが精製され、そのペプチドはバンド3蛋白質のPheー813から始まることが判明した。残念ながら,まだ,完全配列は出来ていないが,このペプチドは,我々が以前にピリドキサルリン酸/[ ^3H]NaBH_4でアフィニティ-標識したLysー851が含まれていると推測され[ ^3H]H_2ーDIDSもLysー851に結合している可能性が大へん高く,改めて,Lysー851が陰イオン透過活性に必須のアミノ酸残基であることが示唆されている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 濱崎 直孝: "細胞膜の物質透過" 臨床病理. 臨時増刊91. 47-58 (1991)

  • [文献書誌] Kenshi Okubo: "Palmitoylation of Cysteine 69 from the COOH-terminal of Band 3 Protein in the Human Erythrocyte Membrane." J.Biol,Chem.266. 16420-16424 (1991)

  • [文献書誌] 康 東天: "多抗原性ペプチド(multiple antigen peptide)の合成と応用" 生化学. 63. 1345-1348 (1991)

  • [文献書誌] 濱崎 直孝: "福岡大学病院における溶血性貧血診断システムの確立" 医学検査. 41. 1-12 (1992)

  • [文献書誌] Naotaka Hamasaki: "The Band 3 Proteins:Anion Transporters,Binding Proteins and Senescent Antigens" Elsevier Science Publishers B.V., (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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