研究分担者 |
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 助教授 (30182306)
西村 孝司 東海大学, 医学部, 助教授 (30143001)
湊 長博 自治医科大学, 助教授 (40137716)
豊島 聰 東京大学, 薬学部, 助教授 (40092283)
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研究概要 |
宿主細胞によるがん細胞破壊のキラ-メカニズムの本態を明らかにすること,また得られた知見を生かして,キラ-細胞を利用した論理的ながん治療法の確立へもアプロ-チすることを目的として研究を行ない以下の成績を得た. 1)活性化マクロファ-ジの腫瘍細胞認識に関わるレクチンの構造と遺伝子が決定された. 2)キラ-T細胞の抗原特異性を支配するT細胞受容体の可変部領域の遺伝子構造が解明された. 3)クラスII拘束性可溶性蛋白特異CTLが免疫反応を特異的に抑制する能力を持つことが明らかになり,この細胞はまた,サプレッサ-T細胞の機能を発揮することが判明した. 4)キラ-因子としてのパ-フォリンの役割について複数の系での検討が行なわれた.その結果,パ-フォリンのみによる標的細胞破壊はADCCなどの限定された系でのみ起こることが判明し,他の系での標的細胞破壊にはその他のキラ-因子が関与することが示唆された. 5)キラ-細胞による標的細胞破壊における情報伝達系の解明のために紫外レ-ザ-を光源とした共焦点レ-ザ-顕微鏡の開発され,キラ-細胞の機能解析が高感度,かつ,定量的に行えるようになった.このシステムの使用によりキラ-細胞のカルシウムシグナルが細胞質だけでなく核にまで伝達されることが解明された. 6)ヘルパ-/キラ-活性を持つヒトCD4^+T細胞のin vitro大量培養が可能となった. この方法により作成したキラ-細胞を用いたがんの養子免疫療法が検討され,有為な成績が得られた.
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