研究課題/領域番号 |
03151052
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
納 光弘 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
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研究分担者 |
吉田 光昭 東京大学, 医科学研究所, 教授 (80012607)
澤田 誠 藤田保健衛生大学, 総合研究所, 助手 (10187297)
出雲 周二 鹿児島大学, 医学部, 講師 (30143811)
佐藤 栄一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60004579)
吉田 廸弘 北海道大学, 理学部, 教授 (60001765)
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キーワード | HAM / HTLVーI / in situ hybridization / immunohistochemistry / neurotropism |
研究概要 |
昨年はin situ hybridizationによりHAM患者の脊随病巣に浸潤しているCD4陽性細胞の一部にHTLVーI proviral DNAが存在することを報告した。その後、HAM剖検例は5例となり、その解析により脊随への浸潤細胞はリンパ球が主体で、病初期にはCD4陽性細胞が、時間の経過した病巣ではCD8陽性細胞が主体で、ミクログリアはDR抗原陽性となっており、HAMの臨床経過にともなって免疫反応のパタ-ンが変化することが示唆された。このHAM病変とHTLVーI感染細胞との関わりを検討するため、パラフィン切片からDNAを抽出、PCRを用いてHTLVーI proviral DNAをdot blottingで検索し病変脊随にその存在を確認した。一方、HTLVーI抗原の免疫組織学的証明は不成功のままで、神経組織固有の細胞へのHTLVーIの感染の有無は未だ明かではない。in situ hybridizationでの証明がkey pointであり、今回、nonーRI probeでHAMの脊随病巣において再検討を行った。また、技術上の問題を改善するために、carrierの末梢血リンパ球やMTー1 cellを用いHTLVーI proviralDNAの検出を検討した。probeとしてgagpol領域を認識するpATK32を用い、nick translationによりビオチン、ジゴキシゲニン ^3Hの各々で標識。42℃、overnightでhybridizationをおこなった。洗浄後、nonーRI probeは蛍光法で、RI probeはオ-トラジオグラフィ-を施行し鏡検した。その結果、脊随標本では蛍光法によるnonーRI probeを用いた方法はRIーprobeに比し、よりバックグランドが高く、細部における感染の検討には適切な方法ではなかった。リンパ球塗沫標本における検討ではビオチン標識probeによるものでMTー1細胞のみで30%程度に陽性であった。copy数が少ないにもかかわらずnonーRI標識にても陽性の所見を得たことにより、今後、より長い領域のprobeを用いる、RNA probeを用いる、RI標識として ^<35>S、 ^<125>Iを用いる、組織におけるPCRの導入等を試み、病巣でのHTLVーI感染の実態を明らかにしたい。
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