研究分担者 |
尾上 均 大阪大学, 医学部, 助手 (70221166)
辻村 亨 大阪大学, 医学部, 助手 (20227408)
春日井 務 大阪大学, 医学部, 助手 (80214310)
廣田 誠一 大阪大学, 医学部, 助手 (50218856)
野村 慎太郎 大阪大学, 医学部, 助教授 (80159087)
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研究概要 |
1)cーkit癌原遺伝子はマウスではW遺伝子座にマップされている。W(cーkit)遺伝子座は1種のレセプタ-タイロシンカイネ-スをコ-ドしており、そのレセプタ-のリガンドはSI遺伝子座にコ-ドされている。W(cーkit)遺伝子に2個の突然変異遺伝子を持つマウスも,SI遺伝子座に2個の突然変異遺伝子を持つマウスもメラノサイトを欠損するために毛の色は白いが,目の虹彩には色素上皮が存在するため目のみは黒い。最近日本で上記の突然変異マウスに酷似した白色黒眼の突然変異ラットが発見された。このWsと名ずけらけられたラットのミュ-タントがマウスのWにあたるものかSIにあたるものかをしらべるため、皮膚の移植実験を行った。Wミュ-タントマウスの皮膚を正常マウスに移植すると、もともとマスト細胞を欠損するWミュ-タントマウスの皮膚にマスト細胞が出現するが,同じようにマスト細胞を欠損するSIミュ-タントマウスの皮膚を正常マウスに移植してもマスト細胞は出現しない。 そこでWs/Wsラットの皮膚を正常ラットに移植するとマスト細胞が出現したので、WsはマウスのWに相当すると考えられた。つぎにWs/Wsラットと正常ラットのcーkitのcDNAを比べるとWs/Wsラットでは12塩基の欠失がタイロシンカイネ-ス領域にみつかった。この12塩基によってコ-ドされる4個のアミノ酸はラット,マウス,ヒトのcーkit蛋白質で保存されるばかりでなく,マウスとヒトのCSFー1レセプタ-でも保存されており、タイロシンカイネ-ス活性に重要な役割をはたすと考えられた。2)マウスのW(cーkit)遺伝子には多くのミュ-タントが知られているが,今までに報告されていないいくつかのミュ-タントを解析した。古く名古屋大で発見されていたW^nと最近実中研で発見されたW^<JIC>はともにタイロシンカイネ-ス領域の点突然変異であるが、W^<JIC>では安定な蛋白質が形成されるのに、W^nは不安定な蛋白質を形成した。
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