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1991 年度 実績報告書

新規ハイブリッド型キノン系制がん剤の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 03152084
研究機関大阪大学

研究代表者

北 泰行  大阪大学, 薬学部, 助教授 (00028862)

研究分担者 藤岡 弘道  大阪大学, 薬学部, 助手 (10173410)
キーワード制がん剤 / アントラサイクリン / ヘテロアントラサイクリン / オキサノマイシン / Oーヘミエステル / キノン系化合物
研究概要

Daunomycinおよびその11ーデオキシ体のD環をチオフェン環やピリヂン環、ピラジン環等のヘテロ環に置き換えたヘテロアントラサイクリン類並びにadriamycinの約100倍の抗がん活性を持つoxaunomycin(1)の全合成に成功した。また緩和な条件下に収率の良い水酸基のヘミエステル化法を開発し、Iの水に対する溶解性増大のためにC10位の水酸基に炭素鎖の長さを変えた種々のヘミエステル基をlinkerとして導入した化合物の合成に成功した。さらに糖部の活性や安定性および毒性に及ぼす影響を検討する目的で、1のアグリコン部に中性糖やフッ化糖をグリコシデ-ションにより導入したoxaunomycin類縁体の合成に成功すると共に、それらのC10位の水酸基にヘミエステル基を導入した化合物の合成にも成功した。備品として購入したFTーIRは、生成物がキノン化合物であることから、その純度の決定に役立った。合成した化合物のうち、D環がチオフェン環およびインド-ル環に置換されたdaunomycin類縁体はマウス白血病細胞Lー1210およびpー388に対してin vitroでdaunomycinに匹敵する強い細胞毒性を示した。また、ヘテロ環の種類や向きにより活性が異なることが明らかになった。oxaunomycin類縁体はin vitroで非常に強い細胞毒性を示すことがわかったので、今後in vivoでの制がん活性を検討する予定である。
今回の研究においては、特にアントラサイクリン類をモデルとして新規キノン系化合物の合成を行い、その構造と活性や副作用との関係について現在結果が得られつつあるところであり、特にキノン構造部位についての情報が得られることが期待される。今後、さらに制がん剤開発にむけての効率化を計ることを目的として物理化学的手法を用いて化合物を解析し、とくにキノン部位の酸化環元電位と生物活性との相関についての検討が必要と考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 北 泰行: "Synthetic Anthracyclines:Total Synthesis of DーRing Thiophene Analogue of Daunomycin" Chem.Pharm.Bull.38. 1836-1843 (1990)

  • [文献書誌] 北 泰行: "The First Total Synthesis of a Potent βーRhodomycin,Oxaunomycin:Regioselective Glycosidation of the Cー7 Hydroxy Group of βーRhodomycinone" Tetrahedron Lett.31. 7173-7174 (1991)

  • [文献書誌] 北 泰行: "Synthetic Anthracylines:Total Synthesis of Dーring Pyridine and Pyrazine Analogues of 11ーDeoxydaunomycin" Chem.Pharm.Bull.39. 857-864 (1991)

  • [文献書誌] 藤岡 弘道: "Asymmetric Synthesis of Anthracycliones:Synthesis of a New Chiral ABーSynthon,(5R,6R)ー6ーEthylー5,6ーdihydroxyー5,6,7,8ーtetrahydroー1,4ーnaphthoquinone,and Its Application for a Novel Regioselective Synthesis of (ー)ーγーRhodomycinone" Chem.Pharm.Bull.40. 32-35 (1992)

  • [文献書誌] 北 泰行: "Synthesis of a Potent Rhodomycin,Oxaunomycin,and Its Analogs" Chem.Pharm.Bull.40. 61-65 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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