研究課題/領域番号 |
03152111
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
三宅 浩次 札幌医科大学, 医学部, 教授 (20045363)
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研究分担者 |
武田 武夫 国立札幌病院, 臨床研究部, 部長
岸 玲子 札幌医科大学, 医学部, 講師 (80112449)
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キーワード | childhood cancers / Acute lymphoblastic leukemia / caseーcontrol study / genetics / Benginーexpo^^ーsure / pesticidesーexpo^^ーsure / env^^ーironmental factors / molecular biology |
研究概要 |
主要研究成果 1.環境発ガン要因について 患児自身および患児の両親の環境化学物質や薬剤、放射線などへの暴露歴を受精前、受精1年前、妊娠中、発病までの4時期にわけ、北海道の地域小児ガン登録症例のうち現時点で追跡可能と思われる1980年度以降登録分について症例対照研究を行った。現在までに白血病(ALL 156例,AML 36例)、神経芽細胞腫76例など全体で300例の症例を調査した。急性リンパ性白血病について性・年齢を1:Nでマッチさせた地域および病院対照との比較を行った結果、母の診断用XーP照射、母のベンジン使用、殺虫剤スプレ-、ヘア-スプレ-の使用、父の農薬使用などで有意に高い相対危険度であった。 2.遺伝要因について 1969年から1988年までの北海道小児ガン登録2577例の中で、登録時の先天奇形の合併は27例あった。内訳はダウン症16例、Neurofibromatosis 7例、そのほか4例であった。さらに症例対照研究を行ったケ-スの中にクライテリアに従って遺伝歴デ-タ・ベ-スを作成した。一親等に悪性腫瘍ありのものは白血病156例のうち7例、神経芽細胞腫76例のうち1例、祖父母、従兄弟の悪性腫瘍歴は白血病でそれぞれ67例と2例、、神経芽細胞腫では22例と0例であった。先天奇形・染色体異常を含む遺伝子異常、または生下時外傷によらない発達遅延は白血病で9例と1例、神経芽細胞腫では発達遅延の1例のみであった。母の流産歴3回以上は白血病にのみ2例認められた。 3.分子遺伝学的解析について 遺伝要因デ-タ・ベ-スに登録された患児とその家族について、および両親の発ガン要因への曝露が明白であった症例の血液中、腫瘍組織中のDNA,RNAの解析など細胞遺伝学的研究を行うべく準備している。
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