研究課題/領域番号 |
03201211
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
高瀬 信忠 金沢大学, 工学部, 教授 (90019711)
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研究分担者 |
畑 時男 石川工業高等専門学校, 教授 (80042919)
宇治橋 康行 金沢大学, 自然科学研究科, 助手 (60092764)
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
石田 啓 金沢大学, 工学部, 教授 (50093183)
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キーワード | 融雪流出機構 / 融雪出水予測 / 融雪量算定モデル / 分布型流出モデル / 融雪量分布 / タンクモデル / デジタルマップ / 擬河道網 |
研究概要 |
融雪流出の予測と防災対策立案のためには融雪流出機構の解明と解析モデルの構築が必要である。このためには融雪機構を解明し、融雪量算定モデルを構築し、さらに、融雪水の流出機構の解明とモデル化を行う必要がある。著者らは、降積雪から融雪流出に至る一連の物理過程を組み込んだポイントでの融雪量算定モデルを昨年度開発したが、実流域における融雪流出解析を行うためには、融雪量の時間変化だけでなく空間分布を算定する必要がある。そこで本研究では、流域の地形要素(斜面の高度、勾配、方位および周辺地形の影響)を取り入れることにより融雪量の時空間分布を算定するモデルを構築した。このモデルを手取川ダム流域に適用した結果、融雪の主要な熱エネルギ-である日射が斜面勾配および斜面方位の影響を受けるため、融雪量の空間分布は高度より斜面勾配および方位に支配された分布を示すことが明らかとなった。また、積雪量の空間分布および雪線の後退を再現することができた。融雪量が求められれば、その流出過程は基本的には降雨流出過程と同じであると考えられるが、前述のように融雪量は空間的に不均一に分布し、流域内に雪線が生じている場合にはこの傾向が一段と顕著になる。したがって、融雪流出モデルとしては分布型モデル構築する必要がある。本研究ではデジタルマップを用い、流出成分に対応して集中化のスケ-ルを変え、擬河道網に基づいて流出水を追跡するメッシュタンクモデルを構築し、モデルを手取川ダム流域に適用した結果、流出量を十分な精度で再現でき、本モデルを用いることにより関連水文・気象因子が予測されれば融雪出水の予測が十分に可能であることが分かった。
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