研究概要 |
M13mp18ーxynAまたはM13mp19ーxynAを化学変異剤処理し、逆転写酵素処理、生限酵素切断後、pKP1500に変異xymA領域を連結し、大腸菌KP3998のアンピシリン耐性形質転換体として回収した。60,000個についてβーキシロシダ-ゼ活性を持つかどうかを調べたが候補はなかった。大部分がキシロビオ-スであるオリゴ95を単一炭素源としてβーキシロシダ-ゼ活性を持つxynAを選択する方法を見いだした。候補を検索したい。xynAとxynBが隣接するpUC19ーxynAxynBを構築し、PvuIIとIIpalの間を除いた。この欠失によりキシラナ-ゼの195番目のアミノ酸残基(酵素のC末端5残基が欠失する)とβーキシロシダ-ゼのN末端の間にアスパラギンを含む連結酵素がLacプロモ-タ-の制御下におかれることが期待されたがβーキシロシダ-ゼ活性のみしか示さなかった。 耐熱性キシラナ-ゼを生産するかどうかを調べたところ、4株の候補(N56,N102,N104,F1)を得た。酵素をカラムクロマトグラフィ-によって精製した。SDSーポリアクリルアミドゲル電気泳動のあと純度検定したところ、N56,N102,N104,F1,野生株でそれぞれ99%、99%、99%以上、97%、99%以上であった。55℃20分間の熱処理による残存活性を調べたところ、野性型酵素が1%以下であるのに対し、N104で100%、N56で35%、N102で10%、F1で5%であった。変異部位を調べるために塩基配列を調べた。パラギン酸に、126番めのスレオニンがセリンに変化していると考えられた。N102株では38番目のグリシンがアスパラギン酸に、N104では38番目のグリシンがセリンに、48番目のアルギニンがリジンに、F1株では12番めのセリンがシステインに変化していると考えられた。キシラナ-ゼの立体構造および熱耐性の度合いから、分子表面のβーシ-ト上にある38番目のグリシンの位置が熱安定性に重要であることが強く示唆される。
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