研究課題/領域番号 |
03204024
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
吉田 泰彦 東洋大学, 工学部, 助教授 (80134500)
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研究分担者 |
佐藤 浩太 千葉大学, 工学部, 助手 (40192091)
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (70011187)
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キーワード | 光・プラズマCVD法 / 熱フィラメントCVD / ab initio法 / アモルファス / ダイヤモンド薄膜 / 超格子 / 固体ゲル |
研究概要 |
1.光・プラズマハイブリッドCVD法によるアモルファス超格子の作製とその特性:シラン(SiH_4)と四フッ化炭素(CF_4)の混合ガスを光・プラズマハイブリッドCVD法により成膜すると、SiH_4が光CVDによりアモルファスシリコン(aーSi:H)を、また、プラズマによりSiH_4とCF_4が反応してaーSiC:H:F薄膜を生成し、二種類の異なった薄膜が積層化した。膜厚を種々変化させて各50層づつ積層化した薄膜は、1.8eVから2.4eVのバンドギャップを有しており、種々のバンドギャップを持つ積層薄膜の設計・制御が可能であることを明らかにした。 2.プラズマCVDの反応解析:シランのプラズマCVDの反応機構の解明は実験的には非常に困難であるので、量子化学的に検討した。 ab initio分子軌道法を用いて、フッ素ラジカル存在下のSiH_4の気相反応の第一段階であるF原子によるSiH_4からの水素引き抜き反応について解析したところ、この反応の活性化エネルギ-が極めて小さく、H原子による場合と比較して、極めて容易に反応し、SiH_3を生成することが明らかになった。F原子によるSiH_4からの振動解析を行い、求められたエントロピ-項を用いEyringの式によって、反応速度定数を定めた結果、実験値と極めて近い値を得ることができた。 3.熱CVD法によるダイヤモンド薄膜の作製:低圧合成法によるダイヤモンド薄膜の新しい炭素源としてアルコ-ルから作製した固体ゲルを用いて、ダイヤモンドの作成を試みた。プロピルアルコ-ルー固体ゲルは多結晶状のダイヤモンド薄膜を生成したが、イソプロピルアルコ-ルやエタノ-ルの固体ゲルは、粒状のダイヤモンドを生成し、用いるアルコ-ルにより生成するダイヤモンドの形状が変化することを明らかにした。
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