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1991 年度 実績報告書

強誘電性液晶の界面配向制御に関する分子論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 03205010
研究機関東北大学

研究代表者

八田 有尹  東北大学, 工学部, 教授 (70005502)

キーワード強誘電性液晶 / 分子配向 / 界面配向制御 / 赤外分光 / ラマン分光
研究概要

固体表面における強誘電性液晶(FLC)の配向機構を分子論的に明らかにするために、フ-リエ変換赤外分光およびラマン分光によるFLC薄膜の振動スペクトルの解析を行なった。今年度は単一組成のFLC化合物、(s)ー4ー(αーmethylheptyloxy)ー4ーnーoctylphenylー4ーoxycarbonylbiphenylbiphenyl(MHOPOB)の分子配向に及ぼす表面形状及び表面化学構造の影響について検討した。以下ではMHOPOHが強誘電性となるSmC^*相における配向挙動について述べる。
1. 平坦なPt基板にスピンコ-トしたpolyvinylalcohol(PVA)膜上ではMHOPOB分子はその長軸を基板法線から約30度傾けて配向することが赤外高感度反射スペクトルの測定により明らかとなった。また.PVA膜の存在によってMHOPOBのぬれ性が著しく向上することがわかった。これらの事実は、MHOPOB分子がPVA膜表面のOH基よりはむしろCH_2基との間で相互作用を生ずることを強く示唆する。
2. PVA膜表面のごく近傍(5nm)における液晶分子配向を明らかにするために表面増大電場分光法(SEEFS)による赤外吸収測定を行なった。この結果、重量膜厚約6nmの島状Ag蒸着膜に薄くコ-トしたPVA膜上では、MHOPOBの分子長軸が微視的Ag表面に対して平行に配向することがわかった。この配向は.1に記した平坦なPVA膜表面での配向とは明らかに異なるものである。 それゆえ、PVA膜がAg表面に存在する場合の平行配向性は島状Agの粗な構造によって誘起されたものと考えられる。
3. ポリイミド(PI)膜表面の一方向ラビングによりイミド環のC=0伸縮振動のバンドが低波数側に移動し、バンド幅も増加するなど、ラビングに伴うPI膜へのせん断応力により膜構造に変化を生じたことを示唆する結果が得られた。このラビングにより液晶分子の長軸が膜表面に対してより平行に配向することがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] A.Hatta: "Fourier‐Transform Infrared Spectroscopic Studies on Interfacial Alignment Control of Ferroelectric Liquid Crystals" Applied Surface Science.

  • [文献書誌] A.Hatta: "Evidence From IR Spectroscopy for the topographical Effect on Alignment of Ferroelectric Liquid Crystal Molecules on a Ag Island Film" Molecular Crystals and Liquid Crystals.

  • [文献書誌] A.Hatta: "Raman Scattering of Ferroelectric Liquid Crystal Molecules on a Ag Metal Grating" Vibrational Spectroscopy.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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