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1991 年度 実績報告書

新規な過酸化ポリ酸の構造と感光特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 03205024
研究機関東京大学

研究代表者

工藤 徹一  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90205097)

研究分担者 岸本 昭  東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30211874)
キーワード過酸化ポリ酸 / 無機レジスト / 前駆体 / 低温焼成 / 骨格構造
研究概要

機能性無機材料研究の一環として、報告者らが見いだした過酸化ポリタングステン酸を用いた無機レジスト材料の研究・開発を行なっている。この新規のポリ酸は金属Wと過酸化水素の直接反応により生成するもので、その水溶液からスピンコ-ト法により均一な薄膜を得ることができる上、遠紫外線・電子線・集束イオンビ-ムなど様々な線源に感応してネガ型の特性を示し、高い感度と解像度を有することがわかっている。
現在、電子線露光により孔径0.1μm程度の微細パタ-ンを描き、これをマスクとして有機樹脂に微細加工できることを確認している。一方、本レジスト材料は有機非線形材料(MBANP)と反応する事なく塗布することができるという特性を利用して、遠紫外線露光により線幅10μm程度のパタ-ンを描き、これをマスクとして下層の有機非線形材料を加工することに成功している。過酸化ポリタングステン酸、過酸化ポリニオブ酸はこれを前駆体として用いることにより興味深い特性を示す複合酸化物が得られる。これまで、塩を形成するカチオン種と生成する骨格構造について調べた結果過酸化ポリニオブ酸を用いて得られた骨格構造複合酸化物は3種類に大別されるが、いずれもこれまでニオブ系複合酸化物として唯一知られていた欠陥ペロブスカイト型とは異なっていた。RbおよびCs塩からは歪んだパイロクロア型構造の結晶が得られた。またYおよびランタノイド系の塩からは六方晶系の結晶が得られた。このうち、YおよびSm〜Luの塩とイオン半径の大きなLa〜Ndの塩では異なるX線回析パタ-ンを示した。前者は過酸化ポリニオブ酸単身を焼成して得られる構造と同一であるが、後者はこれまでに報告のない新規化合物であることが分かった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T. Kudo, J. Oi, A. Kishimoto and M. Hiratani: "“Three kinds of framework structures of cornerーshared WO_6 octahedra derived from peroxoーpolytungstates as a precursor"" Mat. Res. Bull.,. 26. 779-787 (1990)

  • [文献書誌] 大井 潤子,岸本 昭,工藤 徹一: "「過酸化ポリタングステン酸を出発原料とするフレ-ムワ-ク化合物の合成と電気化学特性」" 日本化学会誌. 10. 1296-1300 (1991)

  • [文献書誌] J.Oi,A.Kishimoto,T.Kudo and M.Hiratani: "“Hexagonal tungsten trioxide obtained from peroxoーpolytungstate and reversible lithium electrointercalation into its framework"" J. Solid State Chem.

  • [文献書誌] K.Tsuda,T.Kondo,F.Santo,T.Kudo and R.Ito: "“Fabrication of Optical Waveguides of Organic Crystal Using an Inorganic Photoresist"" Jpn. J. Appl. Chem.

  • [文献書誌] 岸本 昭,工藤 徹一: "セラミックデ-タブック「固体電解質材料研究の現状と将来展望」" 日本製品技術協会, 421 (1991)

  • [文献書誌] 岸本 昭,工藤 徹一: "セラミックス、「混合伝導体とその応用」" 日本セラミックス協会, 178 (1992)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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