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1991 年度 実績報告書

ポリオキサゾリンを基本骨格とした機能性ゲルの反応設計

研究課題

研究課題/領域番号 03205072
研究機関京都大学

研究代表者

中條 善樹  京都大学, 工学部, 講師 (70144128)

キーワード複合ゲル / ポリオキサゾリン / アミド基含有ポリマ- / テトラエトキシシラン / ゾル-ゲル法 / ポリマ-ハイブレッド / シリカゲル / 多孔質シリカ
研究概要

本研究は、ポリオキサゾリンの有する特性を利用して、新しい機能性材料としての複合ゲルの分子設計および反応設計を行うことを目的とした。本年度は特に、一般的にアミド基を繰り返しユニットとする有機高分子について、シリカゲルとのハイブリッド合成を検討した。
アミド基を繰り返し単位とする有機高分子として、ポリオキサゾリンの他、ポリ(N,Nージメチルアクリルアミド)やポリ(Nービニルピロリドン)を用いた。これらの有機高分子とテトラエトキシシランをエタノ-ルに溶かし、酸触媒でゾル-ゲル反応を行い、その後乾燥させると均質透明なガラス状物質が生成した。このような無色透明均一なハイブリッドは、有機高分子とシリケ-トの仕込み組成、有機高分子の重合度のかなり広い範囲で得られることがわかった。一般の有機汎用ポリマ-では、非常に限られた組成でしかハイブリッド化できないことを考えると、ポリオキサゾリンをはじめとしたアミド基含有ポリマ-は特異的である。
有機ー無機ポリマ-ハイブリッドの優れた均ー性は、両成分が分子レベルで混合されていることを強く示唆しており、これは先に述べたように、両成分間の強い水素結合に基づいていると考えられる。実際、得られたハイブリッドの赤外吸収スペクトルを測定すると、もとの有機高分子自身と比べて、そのアミドカルボニル基の伸縮振動が水素結合により低波数側にシフトしていることが確かめられた。
得られた有機ー無機ポリマ-ハイブリッドをシリカゲルが熔融しない温度で焼成すると、有機高分子は完全に焼失し、その占めていた空間が細孔となった。このような手法により、広い表面積を有する多孔質シリ力が得られた。その細孔半径は約10オンブストロ-ム程度であり、いわゆる分子レベルの細孔径であることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Yoshiki Chujo: "Block Copolymer of 2ーMethylー2ーoxazoline with Silica Gel.An OrganicーInorganic Hybrid polymer." Makromokulare Chemie,Macromolecular Symposia. 42/43. 303-312 (1991)

  • [文献書誌] Takeo Saeguse: "Functional Polymers Derived from 2ーOxazolines." Progress in Pacific.Polymer Science. 167-178 (1991)

  • [文献書誌] Takeo Saegusa: "Polymerization Chemistry of the Family of Cyclic Imino Ethers." Makromolekulare Chem,Macromolecular Symposia. 47. 163-177 (1991)

  • [文献書誌] Yoshiki Chujo: "Organic Polymer Hybrids with Silica Gel Formed by Means of the SolーGel Method." Advances in Polymer Science. 100. 11-30 (1992)

  • [文献書誌] Yoshiki Chujo: "新しい重合法による新規ポリマ-の展望" 高分子. 41. 34-35 (1992)

  • [文献書誌] Takeo Saegusa: "Macromolecular Engineering on the Basis of the Polymerization of 2ーOxazolines." Makromolekulare Chemie,Macromolecular Symposia. 51. 1-10 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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