研究課題/領域番号 |
03205111
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
加藤 政雄 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70214400)
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研究分担者 |
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 助手 (90198309)
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キーワード | リチウムジイソプロピルアミド / 含ケイ素モノマ- / 含ケイ素ポリマ- / 4[ビス(トリメチルシリル)メチル]スチレン / ガス透過膜 / 酸化富化膜 / 電子線レジスト / ネガ型レジスト |
研究概要 |
本研究の目的は、われわれが見いだした新しい反応を利用することにより、まったく新しい含ケイ素高分子材料を合成するとともに、その薄膜材料としての特性を追究するところにある.本年度は昨年度に得られた新規含ケイ素モノマ-を基に、1)ガス透過用材料としての評価および2)レジスト用材料としての評価の2点に関して追究した. われわれの見いだした反応によって得られた新規モノマ-(4ービス(トリメチルシリル)メチルスチレン;BSMS)をベ-スとした高分子膜は、通常のビニルポリマ-に比べてガス透過能が高く、特に酸素透過係数は5×10^<-9>cm^3(STP)・cm・cm^<-2>・s^<-1>・cmHg^<-1>に達した。種々のポリマ-を合成してそのガス透過能との相関に関して検討した結果、このポリマ-ではケイ素含有量が酸素透過性に大きく関与していることを見いだした.またBSMSのアクリル酸エステルとの共重合体においては10^<-9>台の透過性を維持しつつ、酸素と窒素の透過選択性が4.6倍程度と高く、これは酸素富化膜として高い可能性があると考えられる。 BSMSはブチルリチウムを開始剤とすることにより、リビング的にアニオン重合が進行し、分子量分布の狭いポリマ-が得られた。このポリマ-を電子線レジストとして評価したところ、電子線強度にしたがって不溶化するネガ型の挙動を示した。感度特性曲線により解像度の目安である∂値を測定したところ、∂=8.1といままでにない非常に高い値を示すことがわかった。これは分子量の変化にともなう溶解度の急激な変化に基づくものと考えられる.このように高い解像度を有するレジスト材料は、より微細なレジストパタ-ンを作るのに有用であり、興味深い.
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