研究課題/領域番号 |
03210220
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
長村 光造 京都大学, 工学部, 教授 (50026209)
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研究分担者 |
冨井 洋一 京都大学, 工学部, 講師 (90026245)
落合 庄治郎 京都大学, 工学部, 助教授 (30111925)
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キーワード | 酸化物超伝導体 / Bi2223 / 銀シ-ステ-プ材 / 冷間加工 / 臨界電流密度 / 最適熱処理 / 緻密化 / みぞロ-ル加工 |
研究概要 |
酸化物超伝導体をマグネット及び電力用材料として用いるためには金属との複合化が必要を考えられる。本研究ではBi系金属被覆材をとりあげ、実用化をはかるため制御すべき材料科学的諸因子を解明し、その知見をもとに合理的な製作プロセスを開発することを目的とした。銀被覆Bi2223テ-プ線材を作製する方法としてpowerーinーtube法があるが、この方法は様々な技術の集積であり、各々のステップが最終性能に及ぼす効果について得た結果を報告する。高い臨界電流密度(Jc)が得られる最適組成はBi_<1.6>Ph_<0.4>Sr_<1.6>Ca_<2.0>Cu_<2.8>O_zであった。添加元素の効果としてはMgO添加によりJcおよびその磁場依存性は改善されるが、これはMgO粒子が微細に分散するためであることが明かとなった。縮径のための冷間加工を試みたが、スエ-ジングとみぞロ-ル加工が最も効果があった。そのなかでもみぞロ-ル加工により加工不均一性が減少することが明かとなった。線引き加工は特性を劣化させた。約0.1mm程度に縮径加工したあと、プレスにより箔状試料を作製した。プレス圧を上げることにより、酸化物層の緻密化がおこり、Jcも増加した。プレスと熱処理の繰り返しにより、Jcは増加するが、これは酸化物層の緻密化および、配向化に原因する。X線回折の極点図を利用して調べたところ、c軸がプレス面に垂直になることがわかった。最適熱処理温度は1113Kであり、時間は約100Ks以上が必要であること、雰囲気は空気中でも酸素中でも相違はないこと、冷却速度には最適速度があることなどが明かとなった。本研究においては銀シ-スBi2223テ-プ材で77K、無磁場の条件で25000A/cm^2,0.5Tで4000A/cm^2のJc値が得られた。また4.2K、10Tのとき50000A/cm^2の高い値が得られた。
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