研究課題/領域番号 |
03213203
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
青木 清 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (70124542)
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研究分担者 |
蔡 安邦 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90225681)
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00161571)
増本 健 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20005854)
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キーワード | 構造材料 / 金属間化合物 / 延性 / アモルファス / 合金化 / 降伏応力 / 結晶化 / 微細組識 |
研究概要 |
最近、耐熱金属間化合物が高温構造材料として世界的に注目されている。しかしながら、実用化するには解決すべき間題が多く残されている。例えば、室温近傍の脆さを克服することも重要な課題である。本研究は金属間化合物の室温における脆さを克服し、さらに強度の向上させる材料学的指針を明らかにすることを目的として行われたもので、(1)超急冷により金属間化合物をアモルファス化した後、結晶化条件を適切に制御して超微細組識を得て延性化する、(2)マクロ(多量)アロイングにより劈開の起こり難い結晶構造の化合物を開発する、に関して研究し、得られた主な結果は以下のように要約される。 (1) 液体急冷アモルファス合金の結晶化による組識制御 Zr_<50>Co_<50-x>Ni_xとTi_<50>Ni_<50-x>Cu_xをアルゴン雰囲気中で超急冷し、リボン状アモルファス試料を得た。結晶化温度(T_x)より30‐50K高温で、真空中、1時間の熱処理を行い平均結晶粒径が約5μmの多結晶試料を得た。前者はX=0‐25at%Ni,後者はX=0‐30at%CuでB2構造の金属間化合物が生成した。引張試験により両試料は5‐6%の伸びを示し、SEM写真は延性的な破面を示した。つまり、金属間化合物を液体急冷してアモルファス化した後、その結晶化挙動を制御して、組識を微細化することが金属間化合物の延性化に有効なことを明らかにした。 (2)B2型Ti‐Al系化合物の生成 TiAlに隣接する対称性の高い結晶構造のB2型化合物との複合化によりTiAlの延性化が期待される。Ti_<50>Al_<50-x>Zr_x化合物にはLl_0の他に、体心立方型のL2_1およびTi_2AlZr組成を中心に広い組成範囲でB2型の金属間化合物が存在することを見い出した。Ti_2AlZrを室温で圧縮変形すると破壊応力が1600MPaで8%の圧縮変形が可能である.このように、マクロアロイングによって、TiAlをベ-スとする軽量金属間化合物の延性化が可能なことを見出した。
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