研究概要 |
窒化ケイ素等の無機系先端材料用原料粉体特性および静水圧成形条件等の製造プロセスによる成形体の微構造の変化が,焼結特性に及ぼす影響の定量的解析を試みた。窒化ケイ素では、3種類の粉体を用い、粉体特性としては比表面積,粒度分布,ζ電位などに着目して評価し、液中混合段階での粒度分布,ζ電位等の粉体特性の変化から焼結助剤の分散状態を考察した。成形体微構造としては細孔径分布に着目し、原料粉体特性および成形圧力条件による成形体微構造の変化が、特に1700℃以下の比較的低温での焼結特性に及ぼす影響を検討した。焼結性と粉体特性および成形体微構造の関係を求めることにより、成形操作までのプロセスの工学的制御法について考察した。焼結助剤の混合・分散過程では、レ-ザ-回折散乱法等により評価した結果、焼結助剤微粒子の完全な分散には、微粒子ほど長時間の混合が必要とした。1700℃以下の比較的低温の焼結条件では、窒化ケイ素焼結体密度は粉体特性として粒子の活性を示す比表面積、成形までのプロセスの効果として成形体内部の平均細孔径を支配パラメ-タ-として定量的に決定され評価式を提案した。1700℃以下の焼結条件では、窒化ケイ素でも粒子間距離が焼結性に影響することが確認された。原料粉末を微粉化し、粒度分布および成形条件を制御して平均細孔径を微細化することで、窒化ケイ素の焼結性が向上できることが確認された。また成形体密度は焼結体密度と必ずしも一対一に対応しなかった。
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