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1991 年度 実績報告書

粒子分散型セラミック複合体の靭性に及ぼす界面効果の解明と強靭化の最適設計

研究課題

研究課題/領域番号 03213211
研究機関京都大学

研究代表者

宮田 昇  京都大学, 工学部, 講師 (10026221)

研究分担者 福谷 征史郎  京都大学, 工学部, 助教授 (40026208)
キーワードセラミックス / 粒子分散型複合体 / 破壊 / 破壊靭性 / マイクロクラッキング / R曲線挙動 / マルチタフニング / ISB法
研究概要

本年度は、クラック端での直接的相互作用機構とマイクロクラック強化機構が破壊過程で同時に作用する複合系を対象に、複数のエネルギ-散逸機構が作用する場合のセラミック複合体の高靭化の挙動を明らかにし、靭性増加に対する個々の機構の寄与を定量的に見積ることを試みた。前年度までに得られた研究成果を基礎に、破壊過程において、主クラック端でのクラックー粒子相互作用機構のみが生じるガラスーアルミナ粒子2相複合系に、マイクロクラッキングを誘起するシリカガラス粒子を分散させた3相粒子分散複合体(マトリックスとアルミナ粒子の熱膨張係数の差:Δa=1.0×10^<-6>K^<-1>、マトリックスとシリカ粒子の熱膨張係数の差:Δa=8.3×10^<-6>K^<-1>、アルミナ粒子の粒径:3μm、シリカ粒子の粒径:26μm)を設計した。ホットプレス法を用いて種々の体積割合のアルミナ粒子、シリカ粒子を含む複合体試験片を合成し、破壊靭性、曲げ強度を測定した。また靭性増加が最大となったガラスマトリックス:67.5体積%、アルミナ粒子:7.5体積%、シリカ粒子:25体積%の複合体を選んで、ISB法(Indentation Strengthーinーbending)法による曲げ強度の測定を行い、前年度に行った理論解析を基礎にR曲線の評価を行った。実験結果から、研究対象としたガラスーアルミナーシリカ3相複合体では、進展クラックとアルミナ粒子との間の直接的な相互作用(クラックの湾曲や偏向)とシリカ粒子によるマイクロラッキングがほぼ加成的に材料の靭性に寄与していることが分った。このことは、マトリックス中に異種の粒子を分散させ、それぞれに異なった役割を担わせる高靭化手法の有効性を予測させるものであり、セラミックスのマルチタフニングに関する基礎的な知見を得ることができた。また観測されたR曲線の挙動はマイクロクラッキング機構に関する理論解析、数値解析の結果とよく一致することが分った。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Noboru MIYATA: "The interaction of a propagating crack front with dispersed particles in glass matrix composites" Proceedings of the 34th Japan Congress on Materials Research. 149-156 (1991)

  • [文献書誌] Noboru MIYATA: "Fracture behaviour of brittle matrix composites containing highーexpansion particles" Proceedings of the 6th International Conference on Mechanical Behaviour of Materials. 3. 471-476 (1991)

  • [文献書誌] Noboru MIYATA: "Microcrack toughening mechanism in brittle matrix composites" Fracture Mechanics of Ceramics. 9/10.

  • [文献書誌] Noboru MIYATA: "Effect of phase separation on slow crack growth in lead borate glasses" Proceedings of the VII International Conference on the Physics of NonーCrystalline Solids.

  • [文献書誌] 宮田 昇(分担執筆): "セラミック先端材料ー強度と微構造ー第2章 弾性的性質" (株)オ-ム社, 404 (1991)

  • [文献書誌] 宮田 昇(分担執筆): "相変態と材料挙動の数値シミュレ-ション 第8章 セラミックスの変態強化" (株)コロナ社, 185 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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