研究概要 |
1.2位に不斉中心を持つ1級アルコ-ルの不斉還元に基ずく合成 当研究室では、糖骨格上にアリル系炭素鎖を選択的に導入する反応を開発したが、糖骨格上のプロキラルな末端二重結合のヒドロボレ-ションの立体選択性は低いことが分かった。そこで、これに代わる方法として,グリニヤ-ル試薬1を求電子試薬に反応させたあと不斉還元する経路を検討した。ケトンと1との反応で得られる付加物2をRu_2Cl_4[(R)-(+)-BINAP]_2NET_3を触媒として還元したが不斉収率は低かった。そこで、保護基を除去してジオ-ル3としたあとその1級水酸基に立体選択性を増強するような基を導入することを考え、それに適した基を検索した。その結果、トリクロロベンゾイル基を導入したときに、高い%eeでアルコ-ル4が得られた。 2.マクロリド抗生物質のフラグメントの合成 マイシナミシンIのCー11〜0ー16フラグメント6と等価な化合物5およびカルボマイシンBなどいくつかの16員環マクロリドのCー3〜Cー9フラグメント8の共通の前駆体になる化合物7を、それぞれグルコピラノシドおよびグルコフラノシドから合成した。
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