研究課題/領域番号 |
03218103
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
釜江 常好 東京大学, 理学部, 教授 (90011618)
|
研究分担者 |
千葉 順成 高エネルギー物理学研究所, 助教授 (50126124)
野本 憲一 東京大学, 理学部, 助教授 (90110676)
槙野 文命 宇宙科学研究所, 教授 (60022589)
西村 純 宇宙科学研究所, 所長 (40013619)
|
キーワード | γ線天文学 / 井戸型フォスウィッチ検出器 / 硬X線検出器 / 超新星1987A / 気球実験 |
研究概要 |
本重点領域の組織が生まれた結果、素粒子原子核物理分野と宇宙天体物理の間で、組織的な共同研究が開始されるようになってきた。総括班は本領域内の交流のみならず、このような広範囲な交流も促進させるため、積極的に努力してきた。平成4年2月12日、13日に「超新星1987Aと関連天体」というテ-マで重点領域の研究会を東大で行った。本領域に参加しているグル-プだけでなく科研費総合研究「大マゼラン雲の超新星1987Aの総合研究」の研究者、宇宙科学研究所X線天文学グル-プ、国立天文台や高エネルギ-物理学研究所や宇宙線研究所の研究者、さらには重点領域「素粒子的宇宙像」の研究者にも参加を呼びかけた結果、各分野の42にわたる興味深い講演を聞く事ができた。またその場での討論において、各自の専門的意見の交換が活発に行われたのみならず、本領域以外からの参加者からも視点の異なる有意義な意見を多く聞く事ができた。この様な事により本領域で取り上げた研究のテ-マに対する関心の高さがあらためて分かった。実際の研究においては、野本を中心とするグル-プの超新星残骸の研究が現在までの超新星の振舞いをよく説明する事で、世界的な「標準理論」となっているという事が挙げられる。実験的な研究では、釜江を中心とするグル-プを有効面積がほぼ同じであるNASAのGRO衛星の硬X/γ線検出器(OSEE)と比べて、約10分の1程度のバックグランドの井戸型フォスウィッチ検出器(Welcomeー1)を開発した事。この検出器を用いて昨年度超新星1987Aの観測を行ったところ、超新星内部で作られた ^<57>Coの生成量や超新星のエネルギ-源に対して多大な知見が得られた事。1991年11月の実験で、GX339ー4(ブラックホ-ル候補)からの微弱な信号(〜30mCrab)を2分間の観測で100〜300kevのエネルギ-範囲で有為(3σ)に観測できた事が挙げられる。
|