研究概要 |
1.エイズ合併悪性リンパ腫の細胞特性:日本人エイズ患者には悪性リンパ腫の合併する頻度が欧米より高いが,その発症機構は欧米人と同じで,EBウィルスによるBリンパ球のトランスフォ-メ-ションがその本態である;いずれのリンパ腫もBリンパ球由来であることは同じであるがその他のリンパ球の表現型上の特性やEBウィルスによって産生される発癌蛋白LMPの発現量には症例間に顕著な差がある。の2点をあきらかにした。 2.HIV感染による血球細胞膜蛋白の変化:ヒトBリンパ球にもTリンパ球と同様にHIVの感染が成立することを確認した。しかも,HIVに感染したBリンパ球(RPMI1788株)は死滅せず,慢性感染の状態に移行することが強く示唆された。生体内でHIVに感染したのBリンパ球がHIVのreseruoirとして機能する可能性がここから示された。 3.HIV中和エピト-プと反応する膜表面蛋白の性状:中和エピト-プはクリニッツ型プロテア-ゼインヒビタ-と類似した構造をもつが細胞膜表面プロテア-ゼによって切断はされないことを示した。 4.HIV調節遺伝子産物を有核細胞に発現させて蛋白を取り,家兎に感作して抗血清をとることに成功した。 5.SCIDマウスにエイズ患者に発生するBリンパ腫と同じ機序で発生したと考えられるリンパ腫を作成することに成功した。
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